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2D材料がオプトエレクトロニクスに有望

March, 19, 2014, Cardiff--MITの研究チームは、光を抑制したり放出したりすることができるデバイス作製に厚さわずか数原子の新しい材料を使った。
この概念実証は、超薄型、軽量、柔軟な太陽電池、LEDおよび他のオプトエレクトロニクスデバイスにつながる。
MITの研究チームが用いた材料は、二セレン化タングステン(WSe2)。これは、光と電気の相互作用を操作できる新しいオプトエレクトロニクスデバイスでの使用を目指して研究中の単一分子厚さ材料の一部。MITの研究チームは、この材料を使ってダイオードを作ることに成功した。
一般にダイオードは、他の原子をホスト材料の結晶構造に注入する「ドーピング」によって実現する。この不可逆プロセスに異なる材料を用いることで、2つの基本的な半導体材料、p型またはn型のいずれかを作ることができる。
しかし新しい材料では、ほとんどゼロに近い厚さの薄膜を、隣接する金属電極に挿入し、この電極の電圧を正から負にチューニングするだけでp型もしくはn型の機能が得られる。このことは、材料が簡単に、かつ即時的に1つのタイプから別のタイプにスイッチできると言うことを意味する。これは従来の半導体ではほとんどない。
実験では、MITの研究チームは電気的に半n型と半p型のWSe2材料シートでデバイスを造った。Mitsui Career Development Associate 物理学教授、Pablo Jarillo-Herrero氏によると、「極めて理想に近い」特性のダイオードが実現したと言う。
ダイオードを造ることにより、3つの基本的なオプトエレクトロニクスデバイス全て、フォトディテクタ、太陽電池、LEDを造ることができる。Jarillo-Herrero氏によると、MITのチームは、この全てを実証した。「これらは概念検証デバイスであり、機能向上向けに設計されていないが、実証に成功したことは幅広い利用可能性への道を示している」と同氏は話している。
「原理的に、この材料はバンドギャップの値を変えることができるので、任意の色のLEDを造ることが可能だ、こういうことは従来の材料では難しい。また、この材料は非常に薄く、透明で軽量であるので、太陽電池、あるいはディスプレイをビルや車の窓に、さらに言えば衣服に作り込むことが可能だ」(Jarillo-Herrero氏)。
セレンはシリコンや他の電子材料ほど豊富には散在しないが、このシートの薄さが大きな利点になる。ポスドクのHugh Churchill氏によると、「従来のダイオード材料よりも何千倍も何万倍も薄い」。したがって、デバイス製造に使う材料は何千倍も少ない。
研究チームは、ダイオードの他に、同じ方法でp型とn型のトランジスタ、他の電子コンポーネントを造った。そのようなトランジスタは、非常に薄いのでスピードと消費電力の点で大きな優位性がある。