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自動車HUD市場、2025年に33億7200万ドル

August, 17, 2020, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「自動車HUD市場、技術(AR-HUD, 従来型HUD)、HUDタイプ(コンバイナ、ウインドシールド)、自動車クラス(エコノミー、中級、高級車)、ディメンション(2Dと3D)、車輌タイプ、販売チャネル(OEM、アフターマーケット)、地域、2025年までのグローバル予測」によると、市場は2020年に8億6600万ドル、予測期間にCAGR 31.3%成長で、2025年に33億7200万ドルに達する見込である。
 増加するコネクティッドと自動運転車のトレンドとともに現行世代の自動車コックピットの技術進歩が,自動車HUD(ヘッドアップディスプレイ)市場を一段と後押しする。HUD技術は、従来のHUDから拡張現実(AR) HUDへと進化しつつある。拡張現実HUDは自動車の外部環境に、運転状況の一部に見えるような仮想的画像を重ねる。この種のHUDは、道路標識を際立たせ、先進的ナビゲーションを可能にする。前方の車両を検出、照明し、遠くのドライバーに警告する。これは、常にドライバーに警戒を続けさせ、ユーザエクスペリアンスを強化すると期待されている。このような先進的なHUD機能は、完全自動運転技術の開発で重要な役割を担うと見られている。

COVID-19パンデミックにより生産が止まり、販売が落ち込み、世界自動車分野の主要プレイヤは戦略を考え直さざるを得なくなった。モデルやプロジェクトの開始予定を変更し、ディーラーネットワークを安定化し、慎重に現金管理をし、投資ポートフォリオを見直すことが、世界中で乗用車や商用車の製造と販売に影響を与えた。これにより、2019年比で2020年の自動車HUD市場は落ち込んだ。安全機能の開発と実装も同様に減速すると見られている。

3D HUDセグメントが技術では、予測期間に最速成長
3D HUD技術は、主要な自動車メーカーにとって魅力的である。コンパクトであり、視線追跡を必要とせず、既存のHUDディスプレイよりも視界深度が優れているからである。メガネ不要の3D技術により、次世代HUDユニットは完全3D効果の可能性があり、ウインドウシールドから安全な距離に、ドライバーが見ることができる画像を投影する。したがって、注意散漫が生じる可能性は少なくなる。3D AR HUDは、運転速度に応じて(例えば市街地で40km/hで運転時には40m、ハイウエイで80km/hドライビング時には80m)様々な距離に情報を表示できる。
 
センサを使い3D投影の助けを借りてどんな物体の存在も検出できる。これが、視覚的に前もってドライバーに警告する。ドライバーは、判断し、自動車を制御するための追加時間が得られる。こうして、3D AR HUDは、事故率を低下させ、運転を安全にする。現在、WayRay, Continental, Visteonを含む多くのHUDメーカー、NVIDIA やZecotek,などのコンポーネントプロバイダが、3DおよびAR HUDsの開発に取り組んでいる。2018年、Continentalは、DigiLensと協働で、ホログラフィックプロジェクションのAR HUDを開発した。さらにトヨタのようなOEMsは、3D HUD開発R&D活動を重視している。これらの要素が、3D HUD市場の成長を後押しする。

高級車セグメントが予測期間に最大市場シェア
 高級車セグメントは、自動車HUD市場への主要な貢献者である。高級車セグメントには、Audi, BMW, Land Rover, Mercedes Benz, および Jaguarなどのブランドが含まれ、価格は50000ドルを超える。高級車セグメントは、車輌にウインドシールドHUDを組込むが、その市場はあまり価格の影響を受けず、魅力的な利益が得られるからである。多くのOEMsが、高級車の標準機能としてHUDを提供している。

ドライバーの視野への、LDWS(車線逸脱警報システム)、死角検知、ナビゲーション、スピードメータのような安全強化機能は、ドライビングエクスペリアンスを一段と豊かにしている。自動車産業で急速に進む技術進歩、ウインドシールドHUDへのより広範な先進的運転車支援システムの組込が2025年まで予測されている。製品の技術革新、それに付加された安全機能は、このセグメントにおける需要を促進する。APACとヨーロッパが、このセグメントで大きなシェアを持っている。この地域での高級車の高生産、最先端の安全性と車輌機能の便利さに対するコンシューマの要求増によるものである。ウインドシールドHUDsの高価格にもかかわらず、サプライヤはフルウインドシールドHUDシステムに巨額投資を続けており、拡張現実などの先進的機能を追加している。

2020年、自動車HUDでヨーロッパが最大市場と推定
 ヨーロッパは、2020年最大市場シェアと見られており、それに続くのがAPACと北米。自動車産業は、ヨーロッパにおける重要産業の一つ。EUによれば、EUには約180の自動車工場があり、自動車産業は、R&Dの最大投資先である。ヨーロッパ地域は、自動車の大手高級車メーカーのハブ。しかし、近年、自動車の製造に翳りが見え、APACやその他の地域など新興市場からの競争が激化している。同地域における自動車HUD市場の主要成長因には、伸び続ける技術需要、安全とセキュアな運転エクスペリアンスニーズの向上、コネクティッドカー開発の増加が含まれる。ドイツは、金額と数量で、ヨーロッパ自動車HUD市場の最大シェアと推定される。市場の成長は、先端自動車車載エレクトロニクスの需要増によるものである。Continental AGなどの主要自動車プレイヤの存在が、先進的自動車アプリケーションで、市場の先行者利益を強化する。加えて、ドイツの商用車市場は、他の先進諸国と比べて、AR HUDsの採用が早いと予測されている。