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量子コンピューティングに有望な「超低温」分子

March, 24, 2014, West Lafayette--パデュー大学(Purdue University)の研究チームは、レーザを使って原子を絶対零度に冷却しそれらを密着させることで新たな「超低温」分子を作製した。この技術は量子コンピューティング、高精度センサ、先端シミュレーションに適用できる。
同大学の物理学、電気・コンピュータ工学助教授、Yong P. Chen氏は、「直観に反するように聞こえるが、レーザを使って運動エネルギーを除去することができるので、結果的に急冷できる」と説明している。
このような低温では原子はほぼ静止状態になり、自然界ではほぼ量子力学的な、新しい種類の化学相互作用を起こすことができる。このプロセスは、いわゆる磁気光学トラップと言う容器の中で進行する。これは真空チャンバで、磁気コイルと一連のレーザを用いて原子を冷却しトラップするシステム。
この方法は光会合と呼ばれる。2つの原子が、レーザを使って化学結合するようにして融合し、1つの分子を形成する。このような分子は、同じ種類の原子を2個持つ等核、あるいは違う種類の原子を2個持つ異核となりえるもので、研究チームが作製したのはリチウム-ルビジウム分子の異核。
分子が異核の場合、この2つの原子の電荷に違いがあり、分子は極性をもつ。この電荷の違いは双極子モーメントと言い、分子間の相互作用を可能にする。双極子モーメントが大きければ大きいほど、相互作用は強い。
リチウム-ルビジウム分子は、量子コンピューティングを含め、さまざまなアプリケーションにとって潜在的に理想的である。つまり、双極子モーメントを持っているので、これらの分子が「量子ビット」として使えるからである。
リチウム-ルビジウム分子のもうひとつの潜在的な利点は、大量に造れると言う点にある。
「光会合によって、超低温リチウム-ルビジウム分子を極めて効率よく造れることを示した。これは、基底状態、極性状態でそのような超低温リチウム-ルビジウム分子製造への第一歩である」と同大学物理学博士課程学生、Sourav Dutta氏は話している。
「基底状態」の分子は、可能な回転エネルギーは最小であり、このため分子はより安定的で制御しやすい。
研究チームは、超低温分子作製のより効率的な方法を探求している。
(詳細は、 www.purdue.edu)