過去数年で時間分解テラヘルツシステムは著しく成熟したが、測定速度が問題として残っている。制限要因は時間遅延である。データアクイジションが制限されるので、測定レートは数 10Hz からせいぜい数 kHz となる。ここでは、個々のテラヘルツパルスの強度を繰り返しレート 80MHz で測定する新技術を紹介する。われわれの装置構成としては、フェムト秒ファイバレーザ、テラヘルツエミッタとして光伝導スイッチ、レシーバとしてゼロバイアスショトキーディテクタ、および高速データアクイジションユニットを統合したものとなっている。検出信号は数 ns(ナノ秒)幅であり、これはレーザの逆繰り返しレートよりも遙かに短い。したがってこのシステムは真の「超高速」テラヘルツ伝送計測を可能とし、ウエッティング(濡れ)動力学をリアルタイムで調べることができる。
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