レーザー誘起損傷閾値 (LIDT) は、ISO 21254の中で「光学部品にレーザー照射した際に損傷確率がゼロであるレーザー放射の最大値」であると定義されている。光学部品のレーザー誘起損傷は、壊滅的な故障になり得るほどのシステム性能の劣化につながるため、LIDTの誤った理解は大幅なコストアップや部品故障につながる可能性がある。特にハイパワーレーザーでは、反射型、透過型、吸収型を問わず、全てのレーザーオプティクスにとってLIDTは重要なスペックになる。本稿ではLIDTの基礎とその規定方法に加え、LIDTを理解するうえで重要な損傷メカニズムについて解説する。
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