November, 24, 2015, Suita--大阪大学大学院基礎工学研究科の岩井大輔准教授、佐藤宏介教授らの研究グループは、動く立体にプロジェクションマッピングする技術を開発した 。
この技術では、まず、プロジェクションマッピングする対象をフルカラー3Dプリンタから出力する。このとき、同時に特殊な形のマーカーをその上に印刷。このマーカーをカメラで読み取ることで、プロジェクタからの映像を動く立体に位置合わせする。物体が移動したり回転しても、プロジェクションされる模様があたかもはりついているかのように映像が切り替わる。さらに、そのままだとマーカーは投影された映像コンテンツを阻害するが、プロジェクタからの映像でマーカーを視覚的に消す補正技術を開発した。
移動・回転する物体に、あたかも映像が張り付いたかのように動画表示できるプロジェクションマッピングを実現することは、これまで技術的に困難と考えられてきた。この研究成果により、移動する立体物への投影や、実際に着用した状態を想定した衣服の試着が可能になるなど、訴求力のある広告や、工業デザインプロセスの効率化が期待される。
開発成果が社会に与える影響について研究グループは次の2点を挙げている。
1.プロジェクションマッピングを利用した広告
動く立体にプロジェクションマッピングできるようになると、その用途は更に広がる。例えば、移動する車にプロジェクションマッピングして広告映像を表示することなどが考えられる。
2.工業製品試作の効率化
工業製品の試作では、プロジェクションマッピングを用いることで、様々な模様や色・質感を瞬時に切り替えてデザインを確認することができる。研究成果を利用することで、試作品を動かしながらデザインを確認することができるようになるため、より詳細な検討が行える。例えば、衣服の模様のデザインを、実際に着用した状態で確認することができるようになる。