November, 18, 2015, Oxford--オックスフォード大学物理学部の研究チームは、既存の技術を使って超短X線パルスが生成できることを初めて実証した。これにより、膨大な科学アプリケーションが開拓されることになる。
Scientific Reportsに発表された論文は、ラマン増幅技術のコンピュータシミュレーションによって、現在の短パルスX線がさらに圧縮されてフェムト秒のほんのわずかな時間に短縮される仕方を説明している。
論文の筆頭著者、James Sadlerは、「自由電子レーザからのX線パルスは、生体医療技術、超伝導研究からタンパク質、高密度惑星の物質の状態の研究まで、多くの方面で利用されている。シミュレーションを通じて示したのは、X線のパルス幅を100倍、いや1000倍に縮める、つまり化学反応が起こる時間よりも短くできることである。このことは、広範な科学的専門分野で素晴らしい意味を持つことになる」と説明している。
シミュレーションは、UKのSCARFおよびARCHERスーパーコンピュータで行われた。
「こうしたX線のパルス長をさらに一桁圧縮することによって、実際上、シャッター速度を速めることになり、多くの科学的過程が一層鮮明にできる」とプロジェクトの主席研究者、Peter Norreys教授はコメントしている。
そのようなプロセスには、原子内を動く電子など、物理学の最短事象の一部が含まれる。