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将来のワイヤレス通信としての太陽エネルギー利用Li-Fi

November, 18, 2015, Edinburgh--エディンバラ大学Li-Fi R&Dセンター、Harald Haas教授をリーダーとする研究チームは、太陽エネルギーをLi-Fi電源に利用する新しいタイプのワイヤレスデータ通信技術を開発した。
 この技術は、電力、インターネット、Wi-Fiアクセスへの既存インフラストラクチャを持たない農村地域、発展途上地域の住民には特に大きな影響が予想される。
 光はデータ伝送に利用され、一方で太陽パネルが高速データを受信する。太陽パネルはLi-Fi技術へのエネルギー供給とLi-Fiのブロードバンドレシーバとして効果的に機能する。
 ロンドンで開催されたTED(Truth and Dare) Global 2015で、Haas教授はLi-Fiを太陽電池といっしょに使ってどのようにデータを受信するかを示した。家庭の太陽パネル、スマートウオッチなど、将来のIoTデバイスがどのようにして同時にパワー吸収とデータ受信ができるかが問題の焦点となった。この技術を使うことでスマートウオッチは、電力の供給を受けながら光でインターネットに接続できることになる。
 デモンストレーションで使用したプロトタイプは、エディンバラ大学Li-Fi R&Dセンターと大学のスピンアウト企業pureLiFi Ltdと提携して作製した。
 Li-Fi R&Dセンターによる研究は、パワーの収集とデータ受信を太陽パネルで統合し、それを通信デバイスに変えることに集中している。実際、パネル内の太陽電池は通信ノードになり、広帯域データを受信しながらノード動作のための電力も供給する。
 このような電源内蔵式のノードは、データ通信成長の主要な障害を取り除くことになる。
 Haas教授によると、世界で40億を超える人々がインターネットへのアクセスができない、発展途上国では従来のブロードバンドやWi-Fiをサポートするエネルギーインフラがない。太陽エネルギーは、このような状況を変えることができる、と同氏は強調している。