November, 12, 2015, Santa Clara--デューク大学電気・コンピュータ工学/物理学准教授、Maiken H. Mikkelsenは、可視光から近赤外光までの電磁スペクトル帯域で完全なアブソーバを実証した。製造技術は簡単に拡張でき、どんな表面形態にも適用可能であり、現在の光吸収技術よりもはるかに低コストになる。
採用されると、この技術によって高度な熱イメージングシステムは現状のものよりも高速かつ低価格になるが、感度も向上する。また、物体の熱シグネチャのマスキングなど、幅広いアプリケーションで使える。
その技術は物理現象、プラズモニクスに依存している。まず表面を、蒸着などのプロセスを使って金薄膜で覆う。次に数ナノメートル厚のポリマ層を付け、1つが100nm程度の銀キューブでコーティングする。
光がその新しい人工表面に当たると、ナノキューブの表面に特定の色が、プラズモンというエネルギーの塊でトラップされ、最終的に熱になって消える。ポリマフィルムの厚さ、銀ナノキューブのサイズと数をコントロールすることで、そのコーティングが可視光から近赤外までの異なる光波長を吸収するようにチューニングできる。
同大学電気・コンピュータ工学教授、David R. Smithは「そのフィルム/ナノキューブシステムの魅力は、非常に簡単であり、柔軟性があることだ。ナノキューブ固有の吸収特性は簡単な式で予測できるので、所望のスペクトル特性となるように表面コーティングのレシピーを素早く作ることは簡単だ。そのナノキューブシステムは、コストと製造問題を取り除くので、少なくとも大幅に軽減するので、われわれは太陽光発電(PV)、熱被覆など既存アプリケーションへの影響に注力できる」とコメントしている。