November, 12, 2015, Washington--パデュー大学の研究チームは、ストリップベース唾液アルコールテストの結果を定量分析し蓄積するスマートフォンデバイスとアプリを開発した。
現在の方法は、パッケージのカラースケールにストリップを調和させる構成になっているので、新方法の利便性は高い。使用されるディップスティック(計量棒)は0.02%~0.30%の範囲の唾液アルコールに感度があり、これは人が車を運転するかどうかを判断するに十分な指標である。また、アプリはこのデータを蓄積し、読み出すことができる。
同大学機械工学シニア研究者、Euiwon Bae氏は、このようにスマートフォンに簡単に実装できるシステムを作った理由として、「色の主観的解釈を避けたいからである」と説明している。
同氏の以前の研究は、レーザと光学的方法を用いて細菌コロニーなどのサンプルを定量的に計測することに関係していた。
スマートフォンへの取付具自体は25×12×12㎜と小さく、平面合成レンズ、反射鏡、プラスチック拡散器で構成されている。これは、電話のLEDから一貫した照明条件が得られるようにするためである。ストリップは、カメラレンズの上の小さな空間に収まり、デバイスは弱い磁気ストリップで、スマートフォンケースの金属ストリップに付けられる。デバイスは、実験室の装置で作製されるので、デバイスのプラスチックケースやレンズは、比較的低コストである。
ディップスティックテストは、エチルアルコールとアルコールオキシダーゼ間の反応を用いて過酸化水素を生成することによって行われる。これは次に、酵素ABTSと混合し、もう1つの酵素ペロキシダーゼによって緑色の錯体に変換される。濃い色はエタノール含有量が高いことに対応している。
この変化は、画像をインポートするアプリ内の内製MATLABプログラムによって比色分析で分析され、画像を120×120ピクセルに収め、赤-緑-青および色飽和値カラースキームで分析する。
「アプリによって、ディップスティックのデジタル画像を記録し、濃度を計算し、記録した日時および地理的位置を記録する。全てがスマートフォンのデータベースに蓄積される。実用的な話をすれば、もし法的な争いになれば、手元に証拠が存在することになる。それを何時採ったか、どこで採ったか、濃度はどうであるかなど、全てである」とBae氏はコメントしている。
今後、研究チームはデバイスの分析アプリケーションを食品安全にまで拡張することを考えている。