November, 9, 2015, Salt Lake City--ユタ大学電気・コンピュータ工学教授、Rajesh Menonは、従来のフィルタよりも3倍光を通す新しいカメラカラーフィルタを開発した。このフィルタにより、弱光で撮った写真が非常に鮮明に正確になる。
その新しいフィルタはどんな種類のデジタルカメラにも使用可能であるが、同氏は特別にスマートフォンカメラ用にそれを開発している。
従来のデジタルカメラは、オートフォーカスであろうとスマートフォンカメラであろうと、光を捉える電子センサを使って画像を生成する。そのようなセンサには、3色(赤、青、緑)用のフィルタが設計されているが、自然光がフィルタに当たると、フィルタはこれら3色を透過させるために色スペクトル2/3を吸収する。
これは極めて効率が悪い、とMenon氏は指摘する。「しかし、1970年代からこのようにしてきており、その後40年にわたり、この技術は全く変わらなかった」。
Menon氏のソリューションは、全ての光をカメラセンサに透過させるカラーフィルタを使用する。これはソフトウエアとハードウエアの組合せで実現されている。
新設計のカラーフィルタは約1µm厚。それは片側にエッチングで作製した精密設計の微細リッジを持つガラスウエファで、透過する光は一定の方向に曲がり、一連の色パタン、つまりカラーコードを形成する。次にソフトウエアが、そのコードを読んで何色であるかを決定する。
単純に3色を読む代わりに、この新しいフィルタは、フィルタを透過してカメラのセンサに到達する少なくとも25の新しいコード、つまり色を生成するので、遙かに正確で、ほとんどデジタルグレインがない画像を生み出す。
究極的には、この新しいフィルタは製造工程での実装を安価にできる。現在の3色を読むフィルタの3段階製造と違い、この新しいフィルタ簡単に製造できるからである。
この新技術は、コンシューマスマートフォンカメラを大幅に改善するだけでなく、ロボット、セキュリティカメラ、ドローンなどの工業アプリケーションでも使用可能である。