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初の光レクテナが光をDC電流に変換

October, 19, 2015, Atlanta--ナノメートルスケールのコンポーネントを使い、ジョージア工科大学の研究チームは初の光レクテナを実証した。レクテナは、アンテナと整流器ダイオードの機能を組み合わせて光を直接DC電流に変換するデバイス。
 多層カーボンナノチューブとその上に作製された微小な整流器をベースにした光レクテナはフォトディテクタのための新技術であり、冷却、廃熱を電気に変換するエネルギーハーベスタなしで動作し、究極的には太陽エネルギーを効率的に取り込む新たな方法になる。
 新しいデバイスは、ジョージア工科大学が開発したもので、カーボンナノチューブがアンテナとして動作し、太陽、その他の光源から光を受信する。ナノチューブに光波が当たると、それに取り付けられた整流器から振動電荷が生ずる。整流器はペタヘルツ速度でON/OFFし、小さな直流を生成する。
 アレイ状の数十億のレクテナによって大電流を生成することができる。ただし、これまでに実証したデバイスの効率は1%以下にとどまっている。研究チームは、技術の最適化を進めることで出力は増加すると見ており、1年以内に市販可能なレクテナが実現可能であると考えている。
 ジョージア工科大学准教授、Baratunde Gola氏は、「究極的には効率2倍、コスト1/10の太陽電池が可能になる。ロバストな高温ディテクタとしては、このレクテナは、1%の効率でも全く画期的な技術になる。効率がさらに向上するなら、それをエネルギー変換技術や太陽エネルギー受信に適用できる」と説明している。
 1960年代、1970年代に開発されたレクテナは10µm波長で動作していたが、研究者たちは40年以上かけて、それを光波長にしようとしてきた。多くの課題があった。アンテナを光波長が結合できる小さなサイズにすること、電磁波の振動を捉えることができる小さくて高速動作可能な整流器ダイオードの製造。
 金属多層カーボンナノチューブ製造技術を使い、研究チームは光の粒子の性質ではなく波の性質を利用するデバイスを作製した。デバイスは、5~77℃の温度範囲で動作した。
 レクテナの製造は、導電基板上に垂直配向のカーボンナノチューブを成長させることから始まった。原子層化学気相法(ALCVD)を使い、カーボンナノチューブは絶縁のために酸化アルミニウムでコーティングされている。最後に物理気相成長法(PVD)により、光学的に透明なカルシウム薄膜、次いでアルミ金属をナノチューブの上に成長させた。ナノチューブとカルシウムの仕事関数の差が約2eVの電位となり、これはカーボンナノチューブアンテナが光で励起されたときに電子を放出するに十分なレベルである。
 動作では、振動する光の波がトランスペアレントなカルシウム-アルミニウム電極を透過し、ナノチューブと相互作用する。ナノチューブチップの金属-インシュレータ-金属接合が、フェムト秒間隔でON/OFFする整流器として機能し、アンテナで生成された電子が上位の電極に一方向に流れる。超低容量、数アトファラドのオーダーで、10nm径ダイオードがこのような周波数で動作可能になる。
 「レクテナは基本的にはダイオードに結合したアンテナであるが、光スペクトラル領域になると、通常は金属-インシュレータ-金属接合に結合したナノスケールのアンテナになる。アンテナをダイオードに近づければ近づけるほど、ますます効率は向上する。したがって、理想的な構造はアンテナをダイオードの金属の1つとして使うことである、これがわれわれが作製した構造である」と研究チームは説明している。
 作製されたレクテナはリジッド基板上に成長したものであるが、目標はフォイルや他の材料で、柔軟な太陽電池やフォトディテクタになるような材料の上に成長することである。