September, 15, 2015, Cambridge--ガラス製造の新方法は、先端フォトニクスにアプリケーションを持つ「デザイナーガラス」の生産につながり、一方で工業規模の炭素捕捉、蓄積も容易にする。
Nature Communicationsに論文を発表した国際研究チームは、新しいハイブリッドガラスを開発するために、比較的新しい、スポンジのような多孔質材料をどのように使ったかを報告している。
研究は、金属-有機フレームワーク(MOF)を中心にしている。MOFは、有機結合で結びつけられた金属イオンで構成されたカゴのような構造。その多孔性は、炭素捕捉、水素蓄積、毒ガス分離などのアプリケーションが提案されている。これは、予め選択されたターゲット分子を選択的に吸収、蓄積できるためである。サイズだけでなく、化学的同一性で区別するふるいを作るようなものである。
とは言え、ライニング、薄膜、繊維状の構造を化学合成した粉末から製造することが難しかったために、四半世紀前の発見依頼、大規模工業利用の可能性は限られていた。そのような限界は、セラミックや金属などの材料に比べてMOFの熱的、機械的特性が相対的に劣っているからであり、過去において焼結、溶解鋳造などの後処理中に構造崩壊が起こった。
今では、ヨーロッパ、中国および日本の研究チームが、慎重なMOF選定とアルゴン加熱が、熱分解温度を上げ、崩壊ではなく、溶解できることを発見した。形成された液体は、成形、溶解、再結晶して、ガス分離や蓄積に使用する固体構造にできる。
同様に重要な点は、液体の急冷により作製できるガラスは、それ自体が材料の新しいカテゴリになる。化学的機能をさらに調整すると、溶解や冷却に先行してMOFに簡単に採り入れることができる多様な要素を利用できる。
現行のカテゴリとは明確に区別されるガラスそのものについて、Aalborg大学のYuanzheng Yue教授は、「交換可能な金属成分と有機成分を含むガラスの形成は非常に希である。通常は、例えば太陽電池導電性ポリマなど、純粋有機物であるか、酸化あるいは金属ガラスなどの全くの無機であるか、いずれかである。ハイブリッドガラス形成のメカニズムを理解することは、ガラス形成一般について知ることに大いに役立つ」とコメントしている。