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シドニー大学CUDOS、チップで量子通信をデモ

August, 12, 2015, Sydney--シドニー大学の物理学者は、情報をより安全に通信するフォトニックチップを開発した。これはほとんどのコンピュータに搭載できるほどに小型になっている。
 CUDOS(光システム向け超広帯域デバイスセンタ)の研究チームは、フォトニックエンタングルメント処理用のチップを開発した。安全な長距離通信の最終目標と見なされているフォトニックエンタングルメントが、コンピュータに組み込めるほどの小さなチップで実証されたことはこれまでなかった。
 チップは、セキュアネットワークの基盤である量子力学(エンタングルフォトン)の特徴を利用している。フォトニックエンタングルメントでは、フォトンの量子状態が、例え距離が離れていても、関連づけられている。
 1つのフォトンに対する変更は、エンタングルメントにより、その対になるフォトンの同様の変更になる。これによって通信中に他者に知られることなく量子情報を送ることが可能になり、安全な通信ができる。このプロセスの以前のデモンストレーションは、大きなコンポーネントに依存していた。これらはスマートフォンやコンピュータに簡単に組み込めるものではなかった。
 Dr Chunle Xiongは「モノリシックフォトニックチップで、タイムビン準備、フォトン分割とエンタングルメントを初めて実証した。大きな挑戦は精巧な低損失フォトニック回路とデバイスのコンパクト化の同時実現。これを窒化シリコン(SiN)フォトニック回路を利用することでこれは克服した。これは、石英の低損失特性とシリコンの緊密集積を統合したものである」とコメントしている。
 研究チームが開発したフォトニックチップは、エンタングルメントアナライザとしても機能し、エンタングルフォトン利用して通信の安全性をモニタする。