August, 4, 2015, Philadelphia--ウィスコンシン大学マディソン校のエンジニアは、物理的なサイズの1万倍強力な光を発することができるナノスケールデバイスを開発した。これは、写真から太陽光発電まで、あらゆるもので非常に大きな意味を持つ成果である。
Physical Review Lettersに発表された論文によると、そのナノスケールデバイスは光を散乱する能力において従来技術を大幅に上回る。1個のナノ共振器が極めて大きな「反射」を引き出す光を操作できる。光エネルギーを吸収して放出するナノ共振器の能力は、その物理的サイズの1万倍である。
「物体をその物理的サイズの1万倍に見せることは、光関連の技術では多くの意味がある」と電気、コンピュータ工学准教授、Zongfu Yu氏は語っている。
研究チームは、材料イノベーションと、光の物理学の鋭い理解を通じてこの成果を実現した。音と同様に光は共振し、増幅する、周囲環境がその波のエネルギーの物理的特性を操作するからである。これを利用して研究チームは、人工的な材料を作製した。光の波長は真空では非常に大きくなるので、光の波は一段と強力な共振が可能になる。
そのデバイスは光をその波長よりも小さなサイズに縮小する、言い換えると多くの光エネルギーを集め、次にその光を極めて広い範囲に散乱し、その出力を利用して微小な粒子を巨大に見せるイメージングアプリケーションを実現する。
「そのデバイスは、この極めて強力な散乱光効果を利用して物体を光学的に拡大することで超可視的にする」とMing Zhou氏は説明している。
ギターの非常に細い弦がその周囲から大量の音響エネルギーを吸収し同期振動できるのと同じように、この非常に小さな光デバイスは周囲のいたるところから光エネルギーを受け取り、驚くほど強力な出力を生み出す。イメージングでは、これは、集光能力が方向とサイズの制限を受ける従来のレンズに対して、明らかに優位性がある。
「われわれは、この技術をベースにしたフォトディテクタを開発している。たとえば、非常に弱い光の中で高品質の写真を撮りたい写真家にとって役に立つ」とYuは言う。
大量の光エネルギーを吸収するナノ共振器の能力を考えると、この技術は高効率で太陽エネルギーを集めるアプリケーションでも潜在力がある。また、Yuが考えていることには、その共振器が冷たい空に赤外光でエネルギーを放出することがある。ナノ共振器は光学断面が非常に大きい、言い換えると、その物理サイズを飛躍的に上回る光を放出できるので、熱エネルギーを大幅に減らし、パッシブクーリングシステムになる。
「この研究は、光の流れを操作する新たな方法を開いた、これによって光センシングや太陽エネルギー変換で新技術が可能になる」とYu氏はコメントしている。
(詳細は、www.wisc.edu)