July, 27, 2015, LINKÖPING--太陽電池用に開発された半導体ポリマファイバは、新しいヒト組織成長の優れたサポート材料である。リンシェーピング大学(LiU)の研究チームは、そのファイバが蛍光を発することを示した。これにより、生きた組織内の細胞の成長を追跡することができる。
損傷のある器官や組織を移植者自身の身体の細胞から成長させた新しい組織で置き換えることは、再生医療の目標の一つである。この研究の歴史は長く、今日では、重い火傷を負った患者は自身の身体の皮膚を成長させることができるようになっている。また、ある種のサポート材料があれば細胞の成長はさらに促進されることが知られている。また、そのような材料はすでにテストされている。
LiU分子物理学部、Daniel Ailiシニア講師、院生Abeni Wickhamなどの研究チームは、極めて特殊な特徴を持つサポート材料の開発に成功した。
「その材料は、TQ1という半導体ポリマで、当初有機太陽電池用に開発された。しかし、それを微小繊維材料に加工した。それはもつれあった繊維であり、ここでは組織の成長を研究し、刺激することができる」とDr Ailiは説明している。
「興味深い点は、細胞がその材料に似ており、それを生きた組織にうまく組み込めることだ。その上、ファイバは蛍光性であり、可視光を発するので、組織内のインプラントを見て追跡することができる。これまでは、ソフトな生体材料には問題があった。そのような材料が生きた細胞や組織にどのように組み込まれ、時間の経過にともなって何が起こっているかを見ることができなかった」。
研究チームは、紡いだTQ1ファイバのインプラントをラットに埋め込んで長期的効果を研究することができた。炎症や他の弊害もなく、その材料が組織内の血管の成長を促進できることさえ示した。これは、新たに培養した組織に酸素が供給され、生き続けることができる条件である。材料の蛍光性により、90日まで組織との相互作用を追跡することができる。