July, 21, 2015, Gaithersburg--NISTと米国海軍研究所(NRL)は、市販のレーザ技術を使用して迅速かつ直接的に有機太陽電池(PV)材料の候補を調べる方法を開発した。この方法により、個々の評価材料毎に高価で時間のかかるプロトタイプ太陽電池作製を回避できる。
NISTの研究化学者、Ted Heilweil氏は「われわれは企業やメーカーに試行錯誤に代わるものを提供したい。市場向けにPV材料を開発するのはかなりの時間がかかる。われわれの方法を用いてそれらをスクリーニングすると、開発が著しく高速化される」とコメントしている。
有機材料(例えばプラスチック)は、相対的に低価格で物理的柔軟性があることから、ソーラ業界からの関心は特に強い。有機物からは将来的な可能性として、どんな表面にでも安価なソーラアレイを印刷することが考えられる。その表面が曲がったり、動いたり、使い古すと新しいものに置き換えられるような表面でも想定の範囲にある。
現状では、有機物は従来のシリコンベースの技術と比較すると太陽光を電気に変換する効率は非常に低いが、よりよい材料のアイデアは急速にやってくる。残念ながら、こうした候補をふるいにかけ、最も有望な候補に狙いを定めることはコストがかかり、努力を要する。見込のある材料ごとにプロトタイプ電池を作る必要があるために、テストされる候補は相対的に少ない。
研究チームの新しい方法は、超高速レーザを用いて材料の能力を直接プローブすることでこうした難題を回避する、電気的な接触も必要でない。可視光パルスを太陽光を模擬してサンプルに照射すると、マイクロ波領域のスペクトルに近い第二のレーザパルスでサンプルの電子挙動をプローブできることが分かっている。サンプルが、この「テラヘルツ」波を吸収すると、その特性が変わり簡単に検出できる。テラヘルツパルスがどのうように変わるかは、光を電気に変換する材料の実行可能性に依存する。
この方法をテストするために研究チームは、従来のプロトタイピングからその能力が十分に分かっている、多数の混合有機分子およびポリマに注目した。
「ソーラ業界の人々がベンチマークとして使ってきた有機物やポリマに注目し、われわれのテラヘルツ計測を用いて同じ相対的な挙動を調べた」とHeilweil氏はコメントしている。
研究チームは、この方法を独自の材料調査の一環として用いている。