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Caltech、高速レーザでメモリ容量改善

July, 16, 2015, Pasadena--DVDsやBluRayディスクは、いわゆる相変化材料を含んでいる。これは、レーザ光パルスが当たると一つの原子状態から別の状態に変わる。その2つの原子状態にデータが「記録」される。データ記録プロセスを高速化する超高速レーザパルスを用いることで、Caltechの研究チームは、新しい技術、超高速電子線結晶学(UEC)を導入し、相変化する材料の原子配位の変化を4次元で直接視覚化した。そうすることで、これまで知られていなかった中間の原子状態を発見した。この中間状態は、データ記録速度に対して不可避の制限と考えられている。
データストレージに関わる基本的な物理過程を明らかにすることで、この成果は、より大きなストレージ容量を持つコンピュータメモリシステムの改善、高速化につながる可能性がある。
レーザ光が相変化材料と相互作用する際に、その原子構造が規則的な結晶配置からより不規則な、つまりアモルファスな配置に変わる。これらの2つの状態が、デジタルデータの0sと1sになる。
この研究の著者、ポスドク研究者、Giovanni Vanacore氏は、「今日、ナノ秒レーザを使用してDVDsやBluRayディスクに、材料をある状態から別の状態に変えることで情報を記録している」と説明する。データが記録される速度は、レーザの速度、つまり個々の「パルス」幅と、材料そのものがある状態から別の状態にどの程度速くシフトするか、この両方で決まる。
したがって、ナノ秒レーザでは、情報単位、一個の0または1をナノ秒ごとに記録することができる。「さらに高速化するために、フェムト秒レーザを使い始めた。この速度で実際に材料に起こっていることが何であるか、ある構造相から別の構造相へのシフトに限界があるのかを知りたかった」と論文の筆頭著者、Jianbo Hu氏はコメントしている。
この研究に、超高速電子結晶学(UEC)という技術を採用した。この技術は、フェムト秒スケールで起こる化学プロセスを視覚的に調べることができる新開発の技術であり、これによって研究者は原型的な相変化材料、テルル化ゲルマニウム(GeTe)にフェムト秒レーザを照射したときの原子配位の変化を直接観察することができた。
UECでは、GeTe結晶サンプルにフェムト秒レーザパルスを当てると、電子のパルスが続いて起こる。レーザパルスは原子構造を結晶を別の構造に変え、究極的にアモルファス状態に変える。電子パルスがサンプルに当たると、電子があるパタンで散乱する。このパタンは時間の関数でサンプルの原子配位図を作る。
この技術により研究チームは、GeTeの構造シフトがレーザパルスによって起こることを初めて直接観察することができた。しかし、それ以上に見たものは、これまで知られていなかった中間相だった。これは結晶がアモルファス配位に変化している過程で現れる。中間相を経た変化に時間がかかるので、研究グループは、これが全般的な変化が起こる速度の物理的な限界を示すと見ている。つまり、使用するレーザの速度に関係なく、データが記録される速度の限界をなす。
相変化材料の記録過程を高速化する方法を見いだし、このスピードの限界を理解することは、両分野の最良点を生かす新しいタイプのメモリ誕生につながる。
研究チームの次のステップは、UECを使ってGeTeアモルファス原子構造を結晶相に戻す研究、つまり消去して再度DVDに書き込む際に起こる現象に匹敵する。