July, 13, 2015, Washington--ハーバード大学の研究チームは、金属面を動く光のような波の波紋、表面プラズモンを作り出し、それを制御し誘導できることを初めて実証した。
応用物理学者フェデリコ・カパッソ(Federico Capasso)は、「マクロスケールのオプティクス理解によってホログラム、Google Glass、LEDなどに行き着いた。ナノオプティクスは、今後のナノテクノロジーの重要部分であり、この研究はナノスケールで光の力を制御し利用するわれわれの能力を強めることになる」とコメントしている。
表面プラズモンの波紋を作り制御することで、2Dホログラムを実現し、ナノスケールで光を集光する、新しいタイプのプラズモンカプラやレンズが生まれる。
表面プラズモンは金属表面に閉じ込められている。そこに波紋を作るために研究チームは、1次元メタマテリアルに沿って光よりも速く進む電荷の波を設計した。
金箔にエッチングした回転スリットのナノ構造、つまりメタマテリアルは、個々のスリットで生成された表面プラズモンの位相を相互に変え、進行波の速度を速くする。そのナノ構造は船の舵のように機能し、進行波の速度を制御することで波紋を誘導することができる。
メタマテリアルへの入力光の角度がもう1つのコントロール手段となり、偏光光を利用することで進行波に対する波紋の方向を逆にすることさえできることを発見した。