July, 8, 2015, Leuven--imecとそのパートナーは、業界や世界の研究機関がアクセスできるようにすることで、多様なシリコンフォトニクス技術を活用する3年プログラムを完成させた。
欧州委員会(EC)の支援を受けたESSenTIALプログラムでimecはCEA-LETI (フランス), Tyndall Institute (アイルランド), VTT (フィンランド), IHP (ドイツ), TNO (オランダ) および CMC (カナダ)と密接に協力して、シリコンフォトニクス向けに先進的なマルチプロジェクトウエハサービス、パッケージングサービスを開発した。このサービスは、中小規模の業界のプレイヤがアクセスできるようにしており、これによりシリコンフォトニクス技術の試験ができるようになっている。
シリコンフォトニクスは、データセンタの光インタコネクトネットワークから免疫測定用の使い捨てバイオセンサまで、幅広い市場で有望な重要技術となっている。基本的に、シリコンフォトニクスは、CMOSファブの技術ポートフォリオと規模の経済を基盤として、高度なフォトニック集積回路(PIC)を製造することができる。PICは、特に波長や偏波を選択するパッシブデバイス、光変調器やディテクタなどのアクティブデバイスと組み合わせて高度化することができる。ESSenTIALプログラムは、2006年に新興のファブレスシリコンフォトニクスエコシステムをサポートするために設立された欧州企業のアライアンス、ePIXfabのサービスを拡張した。ePIXfabは、利用しやすい価格でマルチプロジェクトウエハ(MPW)サービスをフォトニック回路を開発している世界中のファブレスR&Dチームに提供してきた。ヨーロッパのユーザは、EU助成金をベースにして利益を得たが、ePIXfabサービスは地球規模で提供された。
「ePIXfab設立の目的は、シリコンフォトニクス研究コミュニティに、コストと専門技術を共有する目的で、最先端のCMOS技術へのアクセスパスを提供することであった。ePIXfabは、シリコンフォトニクス分野の前進と、研究分野から不可欠の工業的重要性の分野への前進に寄与してきた」ゲント大学教授、Roel Baets氏はコメントしている。同氏はePIXfab創始者の1人で、imec関連の研究チームのリーダー。
ESSenTIALプロジェクト内では、ePIXfabが提供するシリコンフォトニクスサービスポートフォリオが多面的に拡張された。高速アクティブデバイス(25Gbpsまで)が、MPW提供に加わった。さらに、ePIXfabは特別な独自の特長を持つ2つのシリコンフォトニクス技術プラットフォームで追加のMPWをIHPとVTTで行う準備をスタートさせた。全体で、200以上のシリコンフォトニクス回路設計が、imec、LETI、IHPあるいはVTTで見本製造された、これには企業からの50近いデザインも含まれる。プロジェクトのもう1つの大きな成果は、ティンダルインスティテュート(Tyndall Institute)でのシリコンフォトニクスパッケージングサービスの創設。「パッケージングは、フォトニックコンポーネント技術でアキレスの踵と見なされることがある。ティンダルインスティテュートは、光、電気、RFパッケージングを覆うソリューションファミリを開発した。このようにシリコンフォトニクスチップに標準化されたパッケージングアプローチが、ePIXfabアライアンスを通じて業界に利用できるようになっている」とティンダルのフォトニクスパッケージンググループ長、Peter O’Brien氏は話している。
シリコンフォトニクスに熟練エンジニア、特にデザインレベルのエンジニアが不足していることを考えて、ESSenTIALはトレーニング活動に多くのリソースを投入した。規定の6ヶ月トレーニングイベントで110名を超える専門家が訓練を受け、数100名を超える人数がウエビナを通してアクセスした。最後であるが、重要な点は、ESSenTIALはヨーロッパのSMEsと80の実現可能性検討を行い、その結果、少なくとも22の新規プロジェクト、30を超えるプロジェクト提案が行われた。
ESSenTIAL中、シリコンフォトニクス向けのMPW運転はEuropractice ICサービスに組み込まれ、ヨーロッパのシリコンフォトニクスのさらなる成長のための節目となっている。「EUROPRACTICEサービスを通じて、650を超えるヨーロッパの学術および世界の企業、300社がシリコンフォトニクス技術アクセスしている」とEuropracticeサービスのチェアマン、Carl Das氏はコメントしている。
シリコンフォトニクス向けのMPWサービスは全ての企業、研究機関、大学に開かれているが、ヨーロッパの中小規模の企業が、製品イノベーションの過程でシリコンフォトニクスプロトタイプを開発する場合、財政的に魅力的なオプションがある。これはEU支援のプロジェクト、ACTPHASTを通じて可能になっている。