July, 8, 2015, Charlottesville--バージニア大学電気・コンピュータ工学Charles L. Brown学部、Maite Brandt-Pearce教授と、ハーバード大学電気光学部ポスドクフェロー、Mohammad Noshadは、LEDフィクスチャの光を使ってワイヤレス機器に300Mbpsで信号を伝送する方法を開発した。
これは、光の波を使う、自分だけのWi-Fiシステムのようなもので、電波よりもアクセスポイントは多くとれるので、ワイヤレスネットワークとの共有は少なくてよい。
Brandt-Pearce氏は「可視光通信でデータのスループットを増やす変調アルゴリズムを開発した。エネルギー付加なしに、もっと多くのデータを伝送できる。光フィクスチャのLED光による置き換えが増えるにともない、同じネットワークで別のアクセスポイントが増える」とコメントしている。
ブレイクスルーは、すでに照明で使っているエネルギーだけを利用して、より高速にデータを伝送できるところにある。
イランから来たNoshadとBrandt-Pearceは、このアイデアについて大学とともに特許申請した。また、Noshadは、可視光光ネットワーク通信(VLNComm)という会社を立ち上げた。同社は、光によりインターネット接続を行うデスクランプのプロトタイプを開発しており、研究もさらに続けている。
別の院生、Jie Lianは、マルチユーザーシステムの研究に注力している。複数の光を協調させて室内の多数のユーザーにデータを送信し、照明がよければ全ての人が確実に良好な接続が得られる。
同氏によると、コンピュータにソフトウエアを追加するだけでLEDトランスミッタとの接続が可能になる。
「これはWi-Fiの置き換えではなく、増強である。研究チームは、これをLi-Fiと呼んでいる。われわれの変調はどんな光デバイスでも使えるので、普及すると現在の無線ベースのWi-Fiよりも接続性ははるかに向上する」とBrandt-Pearceは語っている。
現在のワイヤレス通信と同様に暗号化はデータを安全に保つために必要であるが、セキュアなネットワークは窓のない部屋で実現可能である。
「光は、何か不透明なもの、壁にぶつかると止まるので、部屋の外から検出されることはない。部屋から部屋への通信をセキュアに保つことができる」。
異なる部屋の2つの分離したネットワークは、現在のWi-Fiネットワークの相互干渉のようなことは起こらない。
また、LED回路をもつデバイスは相互通信できる。
「目覚まし時計がコーヒーメーカーと通信してコーヒーを作り始めるように指示できる。LEDを持つものは何でもLEDと話すことができるので、他にトランスミッタは必要ない。電波を使っていないからだ」。
また、電波を使わないので、このシステムは電波が問題を起こすような病院、製造工場、飛行機のキャビンなどで使うことができる。