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レーザ掃引でナノスケールグリッド形状を形成

July, 3, 2015, Upton--米国エネルギー省ブルックヘブン国立研究所(BNL)の研究チームは、前例のない多様性を持つ機能材料に向けたナノ構造グリッドを素早く作製する新技術を開発した。
 論文の共著者、Kevin Yager研究員は、「多様な材料で構成される多層グリッドを、いかなる幾何学的形状でも作製できる。ナノスケール構造や組成を素早く、独立にコントロールすることにより、これらの材料のパフォーマンスを調整できる。重要なことは、このプロセスは大型のアプリケーションにも簡単に適用できることである」と説明している。
 この研究成果により、反射防止面、改善された太陽電池、タッチスクリーンエレクトロニクスのハイテクコーティング製造が変わる。
 研究チームはBNLの機能ナノ材料センタ(CFN)で材料を合成し、CFNの電子顕微鏡と国立シンクロトロン光源のX線散乱を用いてナノスケールアーキテクチャを評価した。
 新しい技術はポリマ自己組織化によるものであり、ここでは分子が自然に所望の構造に組織化するように設計されている。自己組織化は、分子が適切な構成に結合するように突発的な熱を必要とする。ここでは熱いレーザ光が集中的にサンプルを掃引し、無秩序なポリマブロックをわずか数秒で精密配列に変える。
 「われわれのレーザ技術は材料を特別な方法でアセンブリできる。次に、層ごとに構造を造り、正方形、菱形、三角形およびその他の形状で構成される格子を作製することができる」とBNLのポスドク研究者、Pawel Majewski氏は説明している。
 グリッド構成の第一段階では、研究チームは最近の発明、レーザゾーンアニーリング(LZA)を利用し、超高速自己組織化の促進に必要な局所化された熱スパイクを生成した。
 LZAのパワーと精度をさらに活用するために、研究チームは組織化されていないポリマフィルム上面に感熱弾性塗料を適用した。掃引レーザの熱により弾性層が拡大し、迅速なナノスケールの円筒形(シリンダー)の形成が調整される。
 CFNの電子ナノ材料グループのリーダー、Charles Black氏によると、1秒足らずで高度に整列した一群のナノシリンダーができる。「この秩序は、マクロなエリアでも持続し、他のどんな方法でも実現できない」。
 このような2Dグリッド機能を造るために研究チームはポリマベースを他の材料に替えた。
 1つの方法では、ナノシリンダー層を取り出し、それを金属塩を含む溶液に浸した。すると、これらの分子は自己組織化されたポリマを取り込んで、それを金属メッシュに変換する。プラチナ、金、パラジウムを含む幅広い反応性金属、導電性金属を使うことができる。
 研究チームは、蒸着技術も利用した。ここでは蒸発物質がポリマナノシリンダに浸透し、それを機能ナノワイヤに変える。
 最初の完成したナノワイヤアレイは、完全格子の基板として働く。それに続く層は、同じプロセスでそれぞれが多様になり、スタックされカスタマイズされた、縦横に交差する構成、人の髪の毛よりも1000倍細い金網フェンスのようになる。
 Yager氏によると、個々の組織化されていない層をレーザで掃引する方向がナノワイヤの列を決める。個々の層でレーザの方向を変え、列を交差させたりオーバーラップさせたりする方法によりグリッドが形作られる。次に個々の層が形成された後に機能材料を適用する。「これは、精密構成を作るための非常に素早い、簡素な方法である」と同氏はコメントしている。
 また、CFNポスドク研究者、Atikur Rahmanは、「金属を絶縁体の上にスタックすることもでき、1つの格子構造内に異なる機能特性と相互作用を埋め込むことになる」と話している。
(詳細は、www.bnl.gov)