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ブラックシリコン太陽電池の効率が記録的な22.1%

June, 10, 2015, Espoo-- アールト大(Aalto University)の研究チームは、カタルーニア工科大学と協力してシリコン太陽電池の以前の記録を3%改善した。
 研究チームは、ナノ構造シリコン太陽電池で記録破りの効率22.1%を達成した。これはフラウンホッファISE CalLabによる認定ずみ。研究チームの以前の記録に対してほぼ4%の改善は、ナノ構造にALD(原子層蒸着)によって薄い保護膜を適用し、すべての金属コンタクトを電池の裏面に集積することで達成された。
 表面再結合はブラックシリコン太陽電池では長年ボトルネックになっており、これまでは電池の効率を著しく制限していた。新しい記録的な電池は、前面の再結合に強い感度を持つことで知られている厚い裏面コンタクト構造で構成されている。300nm波長で認定済みの外部量子効率96%は、増大した表面再結合の問題がもはや存在せず、ブラックシリコンが最終的なエネルギー変換効率を制限しないことを実証している。研究成果は、Nature Nanotechnologyに発表された。
 アールト大学のHele Savin教授は、「研究チームはエネルギー変換効率だけに注力していたわけではない」と言う。ブラックシリコン太陽電池は低角度からの太陽放射を捉えることができるので、すでに1日が終わっていても、従来の太陽電池に比べて多くの電気を生成する。
 「1年の大部分で低い角度で太陽が光を放射する北の地域では、この点は非常に有利になる。冬のヘルシンキで、ブラック太陽電池が従来の電池よりも非常に多くの電気を生成することを実証した。例え両方の電池の効率が同じであってもブラックシリコンの方が、北の地域では優れている」。
 近い将来、研究チームの目標はこの技術を他の電池構造に適用すること、特に薄い多結晶電池。
 「われわれの記録的な電池は、p型シリコンを用いて製造した。これは不純に関連する劣化で知られている。n型シリコン、あるいはさらに先進的な電池構造を用いれば、効率がもっとよくならない理由は存在しない」。
 研究では、最良の電池の表面積はすでに9㎝2だった。これは良好な出発点であり、今後この成果をウエファ全体に拡大していき、工業規模に進む。