May, 18, 2015, Aurora--コロラド大学アンシュッツ医療キャンパスの神経科学とバイオエンジニアリングの研究チームは、生きた脳の内部深くを覗くことができる微小光ファイバマイクロスコープを開発した。
論文の著者の1人、Diego Restrepo教授によると、今日の顕微鏡は脳内約1㎜程度しか浸透しないが、研究者が見たいものは全てそれよりも深いものである。「他のほとんどを固定して、このレンズを操作することができる、つまり生きた脳内のニューロンの興奮を見ることができるということである」。
レーザスキャニングマイクロスコープは、光学部品と微小なエレクトロウエッティングレンズを使用する。他の小型の焦点レンズと比べると、この微小レンズは高速であり、動きの影響を受けない。したがって、生きた組織への高信頼フォーカスが可能になる。
同時にそのレンズは、2つの異なる液体に電気を印可することで素早く焦点を変え、実際にレンズの曲面を変えることができる。
直径約1/2インチのこのマイクロスコープは、直接マウスの頭に搭載することができる。細い光ファイバコードによって動物は自由に動き回ることができ、その間に研究者はその脳内を見てある刺激に対する反応をモニタする。
扁桃体のような生きた脳の部分は、これまで事実上顕微鏡でアクセスすることはできなかったが、間もなく高解像度3D画像でリアルタイムに見られるようになる。
「ほとんどの研究者は既存の大きな顕微鏡をマウスに適用して頭部固定イメージングを得ようとしているが、これは動きを制限し、セットアップが難しく、動作に問題がある。このソリューションは、マウスを顕微鏡にではなく、顕微鏡をマウスに取り付ける」とBaris Ozbay氏は指摘する。
また、このマイクロスコープについてシニアオーサ、生命工学のEmily Gibson准教授は、「計測できるニューロンの領域が大きくなり、サンプル数も増える。例えば、同時に100のニューロンを撮像できる。これまでは、せいぜい10程度だった」と説明している。
これらのすべては人にも同様に適用できる。他の可能性としては、
・特定の脳疾患を対象にした薬剤のスクリーニング
・パーキンソン治療の対象となる脳の小領域の撮像
・脳腫瘍診断のための、あるがままの状態で光学的な生検
・神経損傷と義肢制御間の接続検査