May, 1, 2015, Gaithersburg--PML(Physical Measurement Laboratory)のセンサ科学部門が開発している新しい種類の微小チップベース温度計は、温度計測法に革命を起こす可能性がある。
光を使って温度を測るこれらのセンサは、フォトニック温度計と言い、従来の温度測定技術と比較して新技術は小型、堅牢で電磁干渉に強く、潜在的に自己較正できる。開発が完了すると、その設計はリモート温度計測、例えば壁に埋め込んだり、宇宙に送ったりして使用できる。化学、圧力、湿度検出にも適用できる。
現在、フォトニック温度計用に3つの有望なプロトタイプを作製したPMLチームは、新たな到達点に達した。多数の光ファイバをチップに安定的、安価、迅速に同時に接続する方法を開発した。
最終的には、この成果によって量産が可能になり、チップスケールのデバイスと標準の導入が大幅にスピードアップされる見込みだ。当座の目的として、このイノベーションの意味するところは、これらのチップベースのセンサがもはや実験台に閉じ込められることがないと言うことである。今では、センサはポータブル温度計に簡単に形を変え、広範なテストに提供できる。
フォトニック温度計は、チップに刻んだ構造と光との相互作用によって機能する。例えば、一つのプロトタイプはフォトニック結晶キャビティという特徴を利用する。これは幅と厚さが1mの100万分の1以下のシリコンストリップで構成されており、そのシリコンストリップには様々な直径の穴が開いており、これが微小ミラーのように入力光を散乱させる。フォトニック結晶キャビティ温度計は、ある種の光フィルタのように働き、穴の配列によってある周波数が反射される。どの周波数が散乱するかはチップの温度に依存する。
光をデバイスに誘導するために研究チームは光ファイバを利用する。光ファイバは、光源からチップ、チップからディテクタへ光を運ぶ。しかし多数のデバイスを素早くテストするために、チームはラボのセットアップを使用してきており、ここではファイバはチップ上方約100万分の1mに浮いている。このギャップは、エバネセントプロセスで光が捉えられるまでに減衰しない程度に小さい。
次の段階は、光ファイバをチップ機構に接続することだが、多数のファイバをチップ端に1度に接続するために研究チームは市販の光ファイバアレイを採用した。最初に用いたアレイは4芯だが、48芯の市販アレイを用いることも可能。
研究チームは、10~80℃で新しいフォトニック温度計パッケージをテストして、エポキシもファイバとチップボンドも劣化がないことを確認した。次の段階では、-40~+150℃の温度範囲でのテストを予定している。