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高精度周波数コムでテラヘルツ波を検出

April, 28, 2015, Pasadena--Caltechの化学者は、幅広いスペクトル範囲で正確にテラヘルツ波を生成、検出するデバイスを開発した。
新しいデバイスは、周波数コムとして知られるもので、超高速パルスレーザ、共振器を使用してスペクトルに櫛の歯のように均等に分布する数千の固有の放射周波数を生成する。研究者は、これを定規のように使用することができ、メモリのように並んだ歯が光周波数を極めて正確に計測する。
Caltechの研究チームは、市販のレーザとオプティクスをカスタム設計のエレクトロニクスと組み合わせてこの技術をテラヘルツまで拡張し、スペクトル範囲と精度で前例のない組合せのテラヘルツ周波数コムを実現した。その数千の「歯」は、スペクトル(0.15~2.4THz)のテラヘルツ域の大部分で均等に等分されており、これによって研究者はこの周波数全体のサンプルにおける吸収を同時に計測できる。
Caltech宇宙化学・惑星科学教授、Geoffrey A. Blake氏は、「10000を超える周波数を1度に分離して処理できる。将来的には、その数を10万超まで伸ばしたい」とコメントしている。
スペクトルのテラヘルツ域は情報が詰まっているので、重要な領域である。10K(-263℃)よりも高温の宇宙ではあらゆるものがテラヘルツ波を放射している。このような極低温でも分子は宇宙で回転し、テラヘルツ域で固有のフィンガープリントを出している。CaltechのSubmillimeter Observatory、Atacama Large Millimeter Array、Herschel Space Observatoryなどの望遠鏡を使用する天文学者は、テラヘルツ周波数で育星場や惑星形成円盤を探求し、そのような化学フィンガープリントを見つけて惑星系に利用できる分子の種類を決定しようとしている。しかし、空の一部でも、25程度あるいはそれ以上の分子の痕跡が見つかることは珍しくない。
そのように錯綜したテラヘルツ信号内で特定の分子を決定的に特定するには、先ずは様々な分子に関連する化学フィンガープリントの正確な計測が必要になる。それには高感度ディテクタに加えて、正確なテラヘルツ波源が必要であるので、テラヘルツ周波数コムは、実験室におけるそのような計測にとって理想的である。
デバイスが数十万の均等間隔の周波数を生成した後、論文によると、波が蒸気サンプルを透過する。測定器は、どんな光がサンプルを透過し、分子によって何が吸収されたかを周波数コムの個々の歯で計測する。検出された歯が短くなると、サンプルがその特定のテラヘルツ波を吸収したことになり、ベースラインの高さまで来ると、サンプルはその周波数を吸収しなかったことになる。
テラヘルツコムは、宇宙の分子を特定する天文化学アプリケーションだけでなく、分子間の基本的な相互作用の研究にも役立つ。