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グラフェンで超高速フォトディテクタを実現

April, 22, 2015, Chalmers-- ヨーロッパのグラフェンフラッグシップ(Graphene Flagship)加盟の研究グループは、入力光をフェムト秒で電気信号に変換するフォトディテクタを開発している。これによって、光通信や様々な他のアプリケーションの電気回路の超高速動作が可能になる。
 光の電気への変換は、太陽電池、デジタルカメラ、光通信を含む幅広い技術を支えている。これらは、ほとんどの場合、動作速度が重要である。例えば、現在光通信、医療イメージングや手術で利用されているレーザはピコ秒、それ以下のパルスを生成できる。パルス長を3桁短くすると、フェムト秒レーザとなり、現状の最高速となる。
 入力光が、異なるドーピングのグラフェン層間の界面に集中する場合、光熱電効果による光起電力が生成する。このプロセスは、励起と電子-ホールペアの生成で始まり、続いて電子加熱が電荷キャリア間の散乱から起こる。次に電子は、原子格子の熱平衡によって冷却される、これはピコ秒の時間スケールで起こり、スイッチングレートを数100GHzに制限する。それよりも遙かに高速のTHzスイッチング(フェムト秒と同等)には、キャリア加熱の利用が必要になる。
 グラフェンは、以前から超高速、広帯域フォトディテクタの有望な材料であり、そのパフォーマンスはスイッチング速度に依存する。効率的なキャリア加熱は、バルセロナのICFOの物理学者が米国、スペインの研究者と共同開発したフォトディテクタの差別化ポイントである。
 ICFOのFrank Koppens教授の研究チームは、50fs以下のレーザパルスを直接計測するためにグラフェンを使用する。そうしながら研究チームは、波長500~1500nmの間の応答が変わらない状態で、入力フォトンのエネルギーが電荷キャリア熱に効率的に移動できることを示している。これは、効率的な電子加熱と一致する。
 Koppens氏は、「グラフェンフォトディテクタは素晴らしいパフォーマンスと特性を示しており、アプリケーションの幅は広い。マルチスペクトルイメージングから超高速通信まで、Graphene Flagshipで積極的に開発されている」とコメントしている。