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バッタの翅構造からインスパイアされたグライダーロボットの翼設計

March, 6, 2026, Urbana-Champaign--プリンストン大学(Princeton University)の技術者とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)の昆虫学者による共同研究は、暑い駐車場でバッタを追いかけることから始まった。最終的には、アメリカバッタの一種であるアメリカバッタ(Schistocerca americana)の後翅に焦点を当てたことで、新たな自由滑空飛行のアプローチが生まれた。

プリンストン大学の機械・航空宇宙工学部の准教授で研究主任研究者のAimy Wissaは、イリノイ大学昆虫学科のアシスタントプロフェッサー、Marianne Alleyneと協力した。Alleyneの研究室は昆虫をモデル生物として用いて工学応用に役立つ特性を発見している。

Alleyneによると、研究者たちは、バッタが非常に少ないエネルギーで長距離滑空できる能力に魅了された。
「バッタには二対の翅がある。前翅は非常に硬質で、主に折りたたまれる後翅を保護するために使われる。膜質の後翅は大きく、羽ばたきや滑空を助けることができる」(Alleyne)。

「滑空は効率の良い飛行の一種だ。推力を生み出したいときは羽ばたき、エネルギーを節約したいときは、翅を完全に広げて滑空する」。

研究者たちは、バッタが滑空するために翅を広げたときの後翅が平らではなかったことを観察した。翅は波形になっていた。

「昆虫学者として、私は主にこの波形の効果に興味があった。波形は不利なのか、それとも翅を折りたたむために生まれたどちらでもない特性なのか気になっていた。波形構造は有益かもしれない。それが何かはわれわれはわからなかった」とAlleyneは語った。

技術者と生物学者たちは協力して、バッタの効率的な滑空移動の秘密を解明した。チームはバッタの翅のCTスキャンを撮った。この技術はX線と計算を用いて物体の詳細な形状を捉える。分析から得た知見により、翅のモデルを3Dプリントし、翼の波状構造、形状、あるいは翼面の曲率が効率的な滑空飛行に寄与するかどうかを検証することができた。

プリンストン大のチームは、水中チャンバー内とプリンストン・ロボティクス研究所内でグライダーを発射させることで、グライダーの空力性能を評価した。

翅の波形は揚力向上に役立ったが、チームの発見では最も性能の良いグライダーは波形ではなく滑らかな翅だった。今後の研究では、滑空効率を最大化しつつ翅の折りたたみを可能にするために波形をどう組み込むかに焦点を当てる予定だと研究者たちは話している。

「昆虫学者として、私は今、エンジニアたちが開発した様々な試作品や発射台を使って、昆虫の翅の形態をさらに深く掘り下げることに興味を持っている。私の研究室は、生物学に着想を得たエンジニアリングを行うためにエンジニアと共同研究を行うことがよくあるが、これは逆方向にも進み、エンジニアリングモデルや実験ツールを使って重要な生物学的疑問に答えること可能である」とAlleyneは話している。