March, 5, 2026, 仙台/福岡--東北大学流体科学研究所の Liu Yajun 特任研究員、阿部圭晃准教授、および九州大学大学院工学研究院の下山幸治教授らの研究チームは、強力なAI手法である「多目的ベイズ最適化」を導入し、膨大な計算(数千回)が必要な設計解析を従来の10分の1まで短縮することに成功した。
炭素繊維強化プラスチック
(CFRP)を用いた次世代航空機の設計において、燃費向上のための「翼の細長化(高アスペクト比化)」と「軽量化」の両立は最大の課題である。
この研究の最大の特徴は、空気力による翼のたわみを計算しながら、材料が壊れないギリギリの厚みを自動調整する手法を開発した点である。AIが「強度が足りない部分は補強し、無駄な部分は削ぎ落とす」工程を自律的に繰り返すことで、空気抵抗と重量を最小化した理想の主翼を自動で導き出せる。
この自動設計により、主翼の下面パネルは最新材料で劇的に軽くなる一方、後ろ桁の重さは材料よりも翼の長さに左右されるという設計上の重要な特性を解明し、製造時の繊維のズレが性能に与える影響も初めて定量化した。このAI技術は、設計期間を大幅に短縮するだけでなく、水素やアンモニア燃料を用いる脱炭素機、高高度無人機など、これまでにない新しい形態の航空機開発を加速させる鍵となる。
今回の研究成果は、2026年2月6日に複合材料に関する専門誌Composite Structuresに掲載された。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)