January, 14, 2026, Livermore--米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の技術者と科学者は、スタンフォード大学と協力し、サブミクロン精度を犠牲にすることなく、二光子リソグラフィ(TPL)を低速なラボスケールの技術からウエハスケールの製造ツールへと変貌させる画期的な3Dナノファブリケーション手法を実証した。
Nature誌に掲載されたTPLプラットフォームは、人工的に設計された超薄型光学素子であるメタレンズの大規模アレイを用いて、フェムト秒レーザを12万以上の協調した焦点スポットに分割し、センチメートル規模の領域に同時に書き込む。メタレンズベースの手法は、最小特徴サイズが113nmの複雑な3D構造を生成し、商用システム比で1000倍以上高速なスループットを実現する。
「3Dプリンティングシステムが初めて1㎝スケール、さらに3㎝スケールで動作し始めたとき、当時3~4年かけて開発してきたアイデアが実現するのを見るのは非常に素晴らしいことだった。商用プリンターの数百倍から数千倍の速さで正確にプリントされているのを見て、突破口が開けたと実感した」と、LLNLの材料エンジニアで主任研究者のXiaoxing Siaはコメントしている。
ニッチな実験技術からスケーラブルな製造へ
長年にわたり、TPLはそのナノスケールの解像度で評価されてきたが、顕微鏡対物レンズに依存していたため、印刷可能な領域は数百µmに制限されていた。さらに大きな領域にするには何千枚ものタイルをつなぎ合わせる必要があり、この作業には時間がかかり、位置合わせの誤差が生じ、TPLを実験室から持ち出すことはできなかった。。
研究チームのメタレンズTPLアプローチは、顕微鏡対物レンズを、それぞれが小型プリンターとして機能する高開口数のメタレンズのタイル状アレイに置き換える。単一のビームを走査するのではなく、このシステムは数千の小さな領域を並列して印刷し、すべての領域を同じパスでシームレスに融合させる。焦点を小さな光学場に密集させるのではなく、メタレンズピッチで配置することで、従来のマルチビームアプローチに悩まされていた近接効果を回避する。
「これはTPLがついに産業界で採用される可能性を秘めていることを意味する」と、LLNLのポスドク研究者で論文の筆頭著者、Songyun Guは話している。「以前はTPLは研究者向けの単なる実験ツールだった。ウエハスケールのナノ製造により、非常に複雑でありながら、かなり単価を抑えて大量生産できるコンピューターチップと同じように、ナノ材料やマイクロデバイスを製造できる可能性がある。そして、メタオプティクスこそがその解決策だ」。
適応型光制御が新たな設計自由度を解き放つ
完全に周期的でない構造を印刷するために、チームは各焦点の強度をリアルタイムで調整する空間光変調器を組み込んだ。システムはビームのオン・オフを切り替えたり、グレースケール制御で線幅を調整したり、ビームを振り付けることで層ごとにより大きなパターンを形成することができる。ビーム強度を均一化する手段として始まったものが、予想外にも、はるかに幅広い設計自由度への扉を開いた。
「プロジェクトを通して、焦点のオン・オフを動的に切り替え、印刷軌道を慎重に計画することで、高度な並列性を備えた完全に確率的構造を印刷できることに気づいた」とXiaは話している。「Songyun [Gu]と(共著者の)Sarvesh [Sadana]は、一度の工程で16種類の異なる微細なチェスのオープニングを印刷した」。チームはこの手法をLLNLの先進製造研究所からの多大なな支援に感謝して「アダプティブ・メタ・リソグラフィ」と名付けた。
並列的でありなが適応的なアプローチにより、メタレンズTPLは、勾配密度レーザターゲットやフレキシブルテラヘルツデバイスから、1日に数千万個の微粒子まであらゆるものを製造することが可能になる。また、マイクロ流体工学、量子情報、マイクロエレクトロニクス、フォトニクス、核融合エネルギー、生物医学などの新興技術のための複雑なモジュール型アーキテクチャの構築も可能にしている。研究者にとって特に興味深いのは、LLNLが現在進行中の革新的な研究開発、すなわち3Dプリンティングによる融合燃料カプセルやイオントラップ型量子コンピューティングチップのスケールアップの可能性である。
Xiaは、光学と積層造形の融合をこの分野の決定的な一歩と考えている。「光は機能性材料やマイクロアーキテクチャを作るための地球上最高の彫刻刀だ。光を制御する新しい方法が、材料の作り方に革命をもたらすだろう」(Xia)。
より高出力のレーザ、より大型のメタレンズウエハ、より高速な変調器が利用可能になるにつれて、チームはメタレンズTPLがさらに複雑なデバイスをはるかに高速で印刷できるようになり、3Dナノ製造を主流のウエハ規模生産へと押し進めると考えている。MetaLitho3Dと名付けられたこの技術プラットフォームは、2025年のR&D 100アワードを最近受賞し、現実世界の問題解決に向けた産業界への導入の可能性を示している。