January, 7, 2026, Cambridge--MIT Media Labの研究者たちは、細かい砂粒ほどの大きさのアンテナを開発した。これを体内に注入して心臓患者のペースメーカーやてんかんやパーキンソン病の患者の神経調節装置などの深部組織医療インプラントにワイヤレスで電力を供給する。
「これは深部組織インプラントの小型化における次の大きな一歩である」と、Media Labのナノサイバネティックバイオトレック研究グループのPh.D学生、Baju Joyは話している。「これは、大きな手術の代わりに、針で挿入できるバッテリー不要のインプラントを可能にする。」
この研究の詳細をまとめた論文は、IEEE Transactions on Antennas and Propagationの10月号に掲載された。
深部組織インプラントは現在、体内に外科的に埋め込まれる数センチメートルのバッテリーで動作し、定期的な交換が必要。または、同じくセンチメートルスケールの外科的に配置された磁気コイルで、ワイヤレスで電力を収穫できる。コイル方式は高周波でのみ動作するため、組織が加熱し、サブミリメートルサイズに小型化した際にインプラントに安全に供給できる電力が制限される。
「その限界を超えると、細胞が損傷し始める」(Joy)。
チームのIEEE Transactions on Antennas and Propagation論文にもあるように、「500µm未満の超小型アンテナを低周波帯で効率的に運用できるアンテナを開発することは課題である。」
Sarkar主導の研究によって開発された200µmアンテナは、磁場を加えると変形する磁気伸縮膜を圧電薄膜と積層し、変形を電荷に変換する新しい技術により低周波(109 kHz)で動作する。交流磁場が加わると、磁気伸縮膜内の磁気領域が、強い磁石にさらされた布と金属片がねじれるのと同じように、膜をねじ曲げる。磁気伸縮層の機械的応力により、圧電層は上下に配置された電極間に電荷を発生させる。
「この機械的な振動を利用して、磁場を電場に変換している」(Joy)。
Sarkarによると、新開発のアンテナは、金属コイルを使用しGHz帯で動作する同級サイズの埋め込み型アンテナよりも4〜5桁多い出力を発揮する。
「われわれの技術は、人体の深部でワイヤレスで動作できる低侵襲バイオエレクトリックデバイスの新たな道を導入する可能性を秘めている」(Sarkar)。
アンテナを作動させる磁場は、充電式のワイヤレス携帯電話充電器に似た装置によって供給されており、皮膚に貼り付けるパッチや皮膚表面近くのポケットに差し込むことができるほど小さなサイズ。
アンテナはマイクロチップと同じ技術で作られているため、既存のマイクロエレクトロニクスと容易に統合可能である。
「これらの電子機器や電極は、アンテナ本体よりもはるかに小さく作ることができ、ナノファブリケーションの際にアンテナと統合される」とJoyはコメントしている。さらに、同氏によると、研究チームの研究はトランジスタやその他の電子機器をどんどん小さくするために50年にわたるR&Dを活用している。「他の部品は極小でも構わないし、システム全体を針状注入で配置することも可能。」
研究チームによると、アンテナの製造は容易に拡大可能であり、複数のアンテナやインプラントを注入して体の広範囲を治療できる。
このアンテナのもう一つのアプリケーション例は、ペースメイキングや神経調節に加えて、体内のグルコース感知。グルコースを検出するための光学センサを備えた回路はすでに存在するが、体内に非侵襲的に統合可能なワイヤレス電源があれば、このプロセスは大きな恩恵を受けることになる。
「それはほんの一例だ。同じ製造方法で開発された他の技術も活用し、それらを簡単にアンテナに統合できる」とJoyは話している。