April, 8, 2015, Washington--ワシントン大学の研究チームは、今日利用できる最薄半導体を用いて新しいナノメートルサイズのレーザを作製した。このレーザは、エネルギー効率がよく、容易に作製でき、既存のエレクトロニクスに適合する。
スタンフォード大学と共同開発したワシントン大学のナノレーザは、光を発する「利得材料」としてわずか3原子厚のタングステンベース半導体を利用している。
ナノレーザは、次世代のコンピューティングから、健康モニタ用インプラント可能なマイクロチップまで幅広いアプリケーションで利用される可能性がある。しかしナノレーザは、今日まで研究室から出ることはなかった。
他のナノレーザデザインが使用する利得材料は、非常に厚いか、光を捉えるキャビティの構造に埋め込んでいるかのいずれかである。このため、最新の電子回路やコンピューティング技術を作製して統合することが難しい。
それに対して、ワシントン大学(UW)のバージョンは、フラットシートを使用しており、これは一般に使用される光キャビティの上に直接置くことができる。タングステンベースの分子の単一層でできた半導体は超薄型であるので、レーザの2つの重要コンポーネント間の効率的協調を生み出す。UWのナノレーザはビーム発振にわずか27nWしか必要でない、これは極めてエネルギー効率がよいことを意味している。
UWチームのナノレーザの他の利点は、簡単に造れること、今のエレクトロニクスで一般的なシリコンコンポーネントと潜在的に適合可能であること。利得材料として、分離した原子シートを用いることで多様性が得られ、その特性をより簡単に操作する条件が得られる。
研究チームによると、このナノレーザではモノレイヤーを取り出したり戻したりできるので、変更は極めて簡単である。
これは研究チームが望むところであり、また最近の他の研究により、コンピュータチップとボード間の情報転送で、電子ではなく光の利用に道を開く電気駆動のナノレーザを実現することが可能になる。現在のプロセスは、システム加熱とパワー浪費の原因となるので、大規模データセンタを持つFacebook, Oracle, HP, Google 、Intelなどは、よりエネルギー効率のよいソリューションに強い関心を示している。
情報の転送に電子ではなくフォトンを用いると、エネルギー消費が少なくなり、現在の帯域やパワーの制約を破る次世代コンピューティングが可能になる。最近実証されたUWのナノレーザ技術は、光コンピューティングと短距離光通信の実現にとって一歩前進である。
(詳細は、www.washinton.edu)