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画期的な3D顕微鏡がガン細胞に関する重要な新情報を提供

December, 11, 2025, Glasgow--グラスゴー大学(University of Glasgow)には、ガン細胞に関する新しく詳細な洞察を得ることができる強力な3D顕微鏡が設置されている。

世界初のこの革新的な新技術は、腫瘍の細胞構造を3Dで”見る”ことができ、科学者に異なるかの挙動に関する重要な新情報を提供する。

画期的な新型顕微鏡Stellaromics Pyxa™ 3D空間トランスクリプトミクスシステムは、ガン科学部に設置され、肝胆膵外科教授、ジェイミソン空間研究所(Jamieson Spatial Laboratory)グループリーダー、SPARC(研究・臨床統合のための空間病理分析)共同リーダーであるNigel Jamiesonが監督する。

この3D顕微鏡は、細胞レベルだけでなく、細胞内の分子の可視化も可能にし、薄い組織切片では得られないより正確な情報を科学者に約束する。

Nigel Jamiesonと彼のチームは、膠芽腫、膵臓ガン、大腸ガンなど幅広いガンに関する新たな知見を明らかにしたいと考えている。チームはまず、Pyxaシステムを活用してガンの複雑な細胞構造、特にガン細胞がどのように広がり、周囲の免疫細胞と相互作用しているかを解析することに注力する。

「Pyxaは、ガンの複雑な微小環境の研究方法を根本的に変革する可能性を秘めている。空間分解能と単一細胞の精度を組み合わせることで、Pyxaは腫瘍がどのように相互作用し、周囲の組織、血管、神経に侵入するかを新たな視点で解き明かす。

「この技術により、われわれは組織界面の物理的組織をマッピングし、正確な単一細胞表現型を割り当て、3Dで多細胞コミュニティやニッチを調査できることにワクワクしている」(Nigel Jamieson)。

自身の研究を支援するだけでなく、Dr.Jamieson研究室は空間生物学の中核施設としても機能し、多様なサンプルタイプで幅広い協力を図って、Pyxaシステムの独自の能力と3D空間トランスクリプトミクスの変革的可能性を示す計画を立てている。

Nigel Jamiesonはさらにこう付け加えた。「このアプローチは、特に膠芽腫、膵臓ガン、大腸ガンなどの腫瘍が健康な組織に侵入する激しい環境下で、組織形態を捉え,細胞の誤割り当てを回避するという長年の課題を克服するだろうと考えている。

「この強力なツールを患者由来のサンプルやモデルに活用し、ガンの動的な性質をより深く理解できることを楽しみにしている。」

最大100μmの厚さの完全な組織切片に高解像度で多重化された3D空間トランスクリプトミクスを提供するために設計されており、Pyxaは従来の2D薄切面手法の制約を克服し、複数の細胞層にわたる組織構造と空間的文脈を保持する。このシステムは数百の分子標的の細胞内詳細を同時に捕捉し、研究者は複雑な組織組織の解明、細胞間相互作用の特性評価、健康や疾患の生物学的プロセスを支える分子勾配のマッピングができる。

StellaromicsのCEOであるTodd Dickinson, PhDは次のように述べている。「初の外部Pyxaシステムの設置はStellaromicsにとって画期的な出来事であり、真の3D空間生物学を世界の研究コミュニティに届けるための重要な一歩である。

「Dr. Jamiesonと同氏のチームラボは空間生物学の真の革新者であり、空間生物学の中核施設としての役割は、幅広い疾患分野でのPyxaの独自の応用を検証する理想的なパートナーである。このパートナーシップは、腫瘍微小環境から始まる複雑な組織構造に関する前例のない洞察を解き放つシステムの商業化というわれわれの使命を加速させる。」