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イオンゲルとグラフェンで、機械学習の計算を劇的に省力化できるAIデバイスを実現

December, 10, 2025, 東京/神戸--NIMSは、東京理科大学、神戸大学との共同研究により、イオンの振る舞いを利用して情報処理を行う新しいAI(人工知能)デバイスを開発した。従来の深層学習(DL)に比べ、計算負荷を約100分の1に減らすことに成功している。端末機器(エッジデバイス)に直接搭載した「エッジAI」の情報処理性能への貢献が期待される。この研究成果は、ACS Nano誌に掲載された。

成果のポイント
今回、NIMS、東京理科大学、神戸大学からなる研究チームは、イオンを利用する物理リザバ素子を開発し、深層学習並みの高い計算性能と桁違いに低い計算負荷を実現した。高い電子移動度や両極性をもつグラフェンと、イオンゲルを組み合わせることで、速度が異なる様々な反応(イオンと電子が様々な形で動く)が複雑に関係しながら進むため、非常に広い範囲で時定数が異なる(変化速度が異なる)入力信号に対応が可能となる。その計算性能は、従来型物理リザバの中でも最も高い計算性能を示し、ソフトウェアで実行した深層学習と同等の計算性能でありながら、計算負荷を約100分の1まで低減することに成功した。