November, 18, 2025, 大阪--大阪公立大学は、ロボットによるトマトの収穫成功に影響を与える要因を、果実の配置や構造的特徴に基づいて分析した。
人で不足が深刻な農業現場において、ロボットによる自動収穫が注目されている。中でも、房状に果実が実るトマトの収穫は、熟し具合や周囲の環境などを見極めながら慎重に行う必要があり、ロボットには高度な判断力と制御が求められる。
大阪公立大学大学院工学研究科の藤永拓矢助教は、トマト収穫ロボットがどの方向から果実に近づけば収穫成功確率が高まるかを、画像認識と統計解析により定量的に評価した。さらに、抽出したデータをもとに、収穫のしやすさを予測するモデルを構築した。
この成果により、ロボットの無駄な動きを減らして収穫の成功率を高めることで、農業現場での課題解決に繋がることが期待できる。
「収穫ロボットの研究開発は40年近く続いているが、十分に普及しているとは言えない。実用化には様々な障壁があり、この研究では収穫成功率の再現性に着目した。ロボットが成功または失敗する原因を自ら分析できるようになることで、より確実で効率的な収穫が実現できる。農業ロボットの知能化に向けた研究を進め、農業の発展に貢献していきたいと考えている(藤永 拓矢助教)。
研究成果は、2025年10月14日に国際学術誌「Smart Agricultural Technology」のオンライン速報版に掲載された。