March, 31, 2015, 東京--NICTは、ユニバーサルコミュニケーション研究所において、200インチ超多視点裸眼3Dディスプレイ(REI: Ray Emergent Imaging)に、CG映像を瞬時に生成・表示できるシステムの開発に成功した。
これにより、リアルタイムに作製されたCG映像を観客が自在に扱える、これまでにない体験ができるようになる。また、立体映像コンテンツをインタラクティブに作製しやすい環境が整備されたことにより、一般の研究者が用意したコンテンツによる研究や実証実験が実施しやすくなった。これらの開発により、ビッグデータ分析や可視化シミュレーションなど、多岐にわたる分野での新たな活用が期待できる。
NICTは、異なる約200視点のCG映像を計算機群により分散処理して、時々刻々と変化する情報の計算結果を即時に可視化できる装置を開発した。生成した映像を伝送するこれまでの方式に対し、今回は、モデル化したデータを伝送して現地で変換・処理する方式であるため、伝送するデータ容量の削減にも貢献している。
また、一般的な手法で制作されたCGコンテンツを、超多視点立体映像に変換するためのソフトウェアフレームワークを同時に開発した。
通常、立体映像コンテンツの制作や視点ごとの映像生成には、表示対象の3Dディスプレイ特有の知識が必要となるが、このフレームワークは、CGコンテンツ制作の分野で普及し、標準的に用いられているミドルウェア上に実装されている。この結果、インタラクティブに(自由で対話的に)操作可能な超多視点の立体映像コンテンツ制作やセンサデータの可視化を行うことが容易になる。