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世界最高水準400Gbps伝送のフィールドトライアルに成功

March, 20, 2015, 東京--日本電信電話(NTT)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、通信品質の劣化要因となりうる高い偏波モード分散を有する敷設分散シフトファイバケーブルで構成された既設100G光伝送網に、1chあたり400Gの光信号の増設・減設を実施し、100G光信号に影響を与えることなく、400G光信号の安定した長距離伝送が可能であることを確認した。
 実験では、世界最先端の波形歪み補償技術を活用した400G高度デジタルコヒーレント光伝送技術を適用し、NTT従来技術比で大幅な高性能化もあわせて確認した。
 実証実験に基づき、既設の100G光伝送網を活用しつつ、400G光信号を増設することにより、光回線容量を現行の4倍に増大することができ、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた4K/8Kの高解像映像配信の普及やIoT(Internet of Things)の爆発的拡大に伴う大容量トラフィックの流通に資する世界最高レベルの基幹網の経済的な構築が実現可能になる。
 実験に当たり、NTTは、光の位相と振幅の両方に情報を重畳してさらに多値化を図る16QAM変調信号とサブキャリア多重を適用した400G光送受信系を構築した。これにより、既設100G光伝送網における光回線容量を4倍に拡張することが可能となる。NTT Comは400G光伝送技術の実運用を考慮し、高い偏波モード分散および偏波変動を有するファイバ伝送路環境を同社の商用敷設分散シフトファイバケーブルを用いて構築した。
 実験では、400G光信号および100G光信号を最大12波多重し、混在波長多重伝送の後、100G光信号および400G光信号の伝送品質を測定。また、400G光信号の増設・減設時における100G光信号の伝送品質の測定もあわせて実施した。

次の結果から、運用中の100G光伝送システムに対して、400G光伝送技術の追加適用が可能であることを確認した。
(1)既存の光伝送システムで100Gと400G波長の同時伝送に成功
 既設の100G光伝送システムと同等の波長間隔において、既設100G光信号の400G光信号による伝送品質の影響ならびに、400G光信号の100G光信号による伝送品質の影響はそれぞれないことを実験的に確認。特に影響が懸念される400G波長増設・減設時においても、他の光信号への影響がないことを確認した。
(2)世界最先端の高度デジタルコヒーレント光伝送技術による長距離伝送の実証に成功
 400G光信号の光ファイバ伝送に伴う波形歪みを補償するため、回路実装可能なデジタル逆伝搬信号処理技術を適用することで、非線形光学効果による波形劣化の影響を低減すると共に、高性能な誤り訂正技術を併用することで、NTT従来技術と比較して約2倍の高性能化を確認した。これは、高い偏波モード分散を有するフィールドトライアル実験環境下において、750km以上の伝送が可能なことを示している。