March, 20, 2015, 東京--NECは、光集積化技術であるシリコンフォトニクスを活用した小型・低電力な光スイッチモジュールにおいて、光信号の低損失化を実現することで、世界で初めて、ネットワーク規模に応じて入出力数を柔軟に拡張できるシリコン集積光スイッチ技術を開発した。
今回、光スイッチ内のシリコン光回路と光ファイバ間の結合部分において、サイズが異なる光のビーム径(スポットサイズ)を変換してつなぐスポットサイズ変換器を新たに開発し、光の損失を従来比約1/10と大幅に改善した。これにより、結合前後で光を減少させることなく大容量な光信号を分岐できるため、スイッチモジュールを追加することで、光スイッチの入出力ポート数を従来に比べ約10倍まで拡張可能となり、次世代の光ネットワークへの適用を可能にする。
技術の特長
1.世界初、光ネットワークに適用可能な低損失な光スイッチモジュールを開発
微細なシリコン光導波路を用いて、シリコン光回路チップ上に小型・低電力な光スイッチ機能を高密度に集積。光回路とファイバでサイズが異なる光のビーム径(スポットサイズ)を変換する、NEC独自のスポットサイズ変換器を新たに開発し、シリコン光回路チップと光ファイバの結合における光損失を従来技術に比べ約1/10と大幅に改善。これにより、従来から実現している偏光無依存・高消光比などに加え、低損失なシリコン光スイッチモジュールを実現。
2.光スイッチの容易な規模拡張を実現
シリコン光回路上で光信号の経路切り替えを行う多数の微小な熱光素子の配置を、NEC独自のノウハウにより最適化し、素子間の熱干渉やチップの温度変動依存性を抑制。これにより、従来、熱光素子ごとに異なっていた制御電流値をスイッチシステム全体で一つに共通化。従来に比べて制御回路面積を約1/2に小型化するとともに、調整作業を大幅に削減し、制御回路を大型化することなく光スイッチモジュールを増設して容易に光スイッチ入出力ポート数を拡張可能。