September, 24, 2025, 仙台--東北大学などの共同開発チームは、コヒーレントX線回折を用いる複数の手法を統合した新しい解析フレームワークを構築した。この手法を用いることにより、ナノメートル(nm、1 nmは10億分の1 m)からマイクロメートル(µm、1 µmは100万分の1 m)にわたる空間スケールと、数秒から数時間にわたる時間スケールで、析出物の生成・成長・粗大化という一連のプロセスを鮮明に捉えることに成功した。
今回の成果は金属材料にとどまらず、高分子材料、触媒・電池材料など、多様な用途の物質内部で生じる動的現象の解明に応用可能な汎用的フレームワークとして期待される。
マグネシウム合金は、実用金属の中で最も軽量かつ高強度であるため、自動車や家電製品、航空機などの構造材料として強く期待されている。
この成果は、2025年9月15日の週(米国東部時間)に「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」誌(PNAS、米国科学アカデミー紀要)にオンライン掲載された。
共同開発チーム
東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センターの高澤駿太郎助教(理化学研究所 放射光科学研究センター イメージングシステム開発チーム 客員研究員)と高橋幸生教授(理化学研究所 放射光科学研究センター イメージングシステム開発チーム チームリーダー)ら、二宮翔助教、星野大樹准教授、西堀麻衣子教授、理化学研究所 放射光科学研究センター放射光機器開発チームの初井宇記チームリーダー、北陸先端科学技術大学院大学 共創インテリジェンス研究領域のダム ヒョウ チ教授。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)