September, 1, 2025, 東京--NTT株式会社(NTT)は、従来の光通信波長帯を超えた新たな超長波長帯(X帯)を開拓し、波長帯域27THzの超広帯域波長分割多重(WDM)信号によって、伝送容量160テラビット毎秒(Tb/s)での伝送距離1,040kmの長距離大容量光伝送の実証に成功した。
大容量光伝送システムにおいては、日本における基幹光ネットワークの大動脈である東名阪区間を光増幅中継できることが求められる。現在の光伝送システムでは、光の波長軸上に伝送チャネルを多重するWDM方式が利用されており、さらなる大容量化のためにはその多重領域である波長帯域を拡張することが重要である。今回の成果では、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)型波長帯一括変換技術を適用した超広帯域光増幅中継器を新たに開発し、信号帯域を従来システムの6.7倍超の世界最大27THzまで拡張すること成功した。また、光ファイバ中の特有の非線形作用により生じるパワー遷移(誘導ラマン散乱)を利用することで、光ファイバの低損失帯域を約1,700nmの超長波長帯まで拡張し、東名阪をカバーする1,000km以上の長距離区間においても超広帯域WDM信号を伝送可能であることを実証した。
この成果は、IOWN/6Gにおけるオールフォトニクス・ネットワークにおいて、波長帯を拡大することにより、既存の10倍以上の大容量化と1,000km超の長距離化を両立可能な技術として期待されるものである。
(詳細は、https://group.ntt/jp)