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フォトンペア生成に向けた波長安定化BRW RWレーザ

August, 7, 2025, Berlin--フォトンペア(光子対)光源は、量子現象を利用するアプリケーション (量子暗号化通信など) にとって不可欠であり、確立されたインフラストラクチャを活用するために標準的な通信波長で動作することで恩恵を受ける。そこで、光子対を同時に生成する、電気駆動の波長安定化ブラッグ反射導波路リッジ導波路(BRW-RW)レーザ光源を開発した。
このデバイスは、パラメトリック蛍光により、高次垂直導波路モードのレーザ光を2倍の波長の2つの基本モードの光子対に変換することができる。

パラメトリック蛍光は周波数に敏感なプロセスであるので、従来のファブリーペロ(FP)レーザは波長安定化が欠けているため不適切である。これを改善するために、分散ブラッグ反射板(DBR)表面回折格子をレーザのセグメントに組み込んだ。このグレーティングは、技術的に実現可能なエッチング深さに対して高いモーダル反射率を提供することにより、レーザ波長を安定させまる。さらに、波長はブラッグ条件によって決定されるため、回折格子周期を変化させ、パラメトリック蛍光の動作点に向かってシフトすることで調整可能である。

Fabry-Pérot FP-BRW-RWレーザとわれわれのDBR-BRW-RWレーザのCWパワー電流特性を比較すると、両タイプのレーザの光学スペクトルは、DBR-BRW-RWレーザの波長が安定しているのに対し、自由に動作するFP-BRW-RWレーザはマルチモード動作とモードホッピングを示すことが明らかになった。このように、DBR表面回折格子の導入により、ブラッグ反射導波路に波長安定化レーザ放射が得られることを初めて実証した。これにより、レーザ波長を調整して、最適なフォトンペア生成が可能になる。

この研究は、助成金 16KIS1768 (プロジェクト VOMBAT) の下で連邦研究技術宇宙省 (BMFTR) によって支援されている。