March, 12, 2015, Red Bank--ライス大学研究所のナットコアテクノロジー(Natcore Technology Inc)の研究チームは、通常のn型シリコンウエファ上にゲルマニウム量子ドットを使ってヘテロジャンクション太陽電池を形成することに成功した。
個々のゲルマニウムQDsは二酸化シリコン(シリカ)でコーティングされ、p型になるようにドープされ、次にナットコアのLPD(Liquid Phase Deposition)プロセスを用いて商用グレードのシリコンウエファ上に成長させる。LPDプロセスは、ライス大学で開発され、ナットコアに独占的にライセンス提供されている。
量子ドット太陽電池は、今日商用で利用できるものを遙かに超える効率であり、地上の太陽エネルギーを変革する可能性がある。
優位性は、次の点にある。量子ドット(QDs)のサイズを注意深くコントロールすることで太陽電池は、光の特定スペクトルからのエネルギーを捉えるように調整できる。捉え切れなかったスペクトル部分は次の下層に透過し、そこで特別に調整された低位の量子ドットあるいは通常のシリコン電池でも捉えることができる。
したがって、量子ドットの電池を二層あるいはそれ以上持つ「マルチジャンクション」「タンデム」セルを使うことで太陽スペクトルをこれまでよりも遙かに多くエネルギーに変換することができる。逆に現在のシングルジャンクション太陽電池は、太陽スペクトラムの限られた部分に対してだけ高効率である。
タンデム太陽電池は、宇宙アプリケーションでは実証された技術である。地上アプリケーションでそれが普及しない主要な問題は、この上方層に新種の半導体材料を使う必要があったことだ。
Dr. Barronのナットコア研究所で造られたセルは、比較的豊富で安価なゲルマニウムを使用し、コーティングしたQDsが「p型」材料としての特性を持つようにしている。
このヘテロジャンクションセル、n型シリコンウエファ上にp型量子ドットを持つ太陽電池は、量子ドットを使ってp型とn型の両方を形成する太陽電池への重要な一歩である。次の段階が達成されると、超高効率、マルチジャンクション太陽電池への道が開かれることになる。