Science/Research 詳細

チューブ内でロケットにねじれ光ビームを照射して加速

July, 25, 2025, 仙台--東北大学大学院工学研究科の高橋聖幸准教授と山田峻大大学院生(研究当時)、筑波大学 数理物質系 / プラズマ研究センターの南龍太郎准教授と假家強教授、東京都立大学大学院システムデザイン研究科の嶋村耕平准教授らは、独自に開発した「マイクロ波駆動管内加速器」による推力生成実験を行った。螺旋位相板を用いてミリ波ビームを光渦ビームへ変換し、機体後方にプラズマを生成することで、チューブ内でロケットを加速させることに世界で初めて成功した。
この結果、姿勢制御の不要化、ビーム発散回避、大気密度低下や繰り返しビーム照射時の推力低下の抑制といった課題を克服できる可能性が示された。

ミリ波ビームをロケットに照射して無燃料で打ち上げる「マイクロ波ロケット」は、次世代の低コスト宇宙輸送手段として注目されている。しかし、姿勢制御の困難さや、ビームの発散、大気密度の低下、さらにはビームを繰り返し照射した際の推力低下などの課題があった。

この技術は、地球からの打ち上げのみならず、月など大気のない環境でのロケット打ち上げや、宇宙エレベータの昇降機への応用も期待されており、将来の宇宙ミッションに資するものと考えられる。

研究成果は、2025年7月8日(日本時間)付けで科学誌Scientific Reportsに掲載された。

(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp)