初のレーザシステム動作、記録達成

June, 26, 2025, Livermore--ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)は、レーザ駆動の慣性閉じ込めを使用して、初めて核融合による科学的な損益分岐点を達成した。言い換えれば、NIFは、核融合燃料の小さなカプセルを圧縮、加熱、点火するために使用されたレーザエネルギーよりも多くのエネルギーを核融合から生成した。これは、NIFとレーザ慣性核融合をあらゆる種類の最高の性能の核融合システムとして特徴づける大きなマイルストーンであり、科学的な損益分岐点を超えることが実験的に実証された唯一のものである。

これは、フュージョン(核融合)にとって画期的な瞬間だった。しかし、NIFは商業発電に拡張することを意図したものではなく、NIFで使用されるレーザ技術は、発電所に使用するには莫大なコストがかかる。Xcimerの目標は、NIFで成功裏に実証されたプラズマ物理学と核融合閉じ込めの概念を、商用アプリケーションに拡張できる低コストで高エネルギーのレーザシステムと組み合わせることである。

また、NIFがすでに科学のリスクを軽減しているため、他の多くの概念が依然として行わなければならないように閉じ込めアプローチの基本的な実行可能性を証明するのではなく、商業計画の実行とこのレーザアーキテクチャのエンジニアリングに迅速に移行することができた。

今日、われわれは、この道筋に沿って実行し、進歩する大きなマイルストーンを共有している – 世界初の民間企業で製造された電子ビーム励起エキシマレーザであるLong Pulse Kinetics Platform(LPK)の完成であり、過去20年間で世界で初めて製造されたKrFレーザである。

この種のレーザは、1970年代に米国で発明され、もともとは防衛用途で、慣性核融合について長い間研究されてきた。しかし、この先行研究は、米国エネルギー省(DOE)の研究所、学界、国防総省の請負業者施設で行われており、その多くは公の目に触れることのできないものだった。最近では、米国海軍研究所(NRL)が、1990年代から2000年代初頭にかけて、NikeとElectraシステムを使用して、核融合エネルギーアプリケーション用のエキシマレーザの科学とエンジニアリングを進歩させる先駆的な研究を行った。NRLのような機関や国立研究所は、商業核融合の将来において引き続き重要な役割を果たすと考えられる – 一方、LPKの完成と運用は、レーザ核融合、特に高エネルギーエキシマが、米国政府が主導する数十年にわたる開発と方向性を経て、民間部門に移行するための大きなマイルストーンとなる。
Xcimerの目標の1つは、クリプトンフッ化物エキシマレーザを、これまでの努力が焦点を当ててきた(最大500ns)よりも長いパルス長(1〜3µs)で実行することにより、コスト削減を達成すること。したがって、LPKの主な目的は、このスペースで運用するために必要な科学とエンジニアリングを探求できるシステムを構築することだった。

エネルギー省のマイルストーンベースの核融合開発プログラムに申請書を提出したとき、グリッド上のパイロットプラントへの道のりの最初の主要な技術的マイルストーンとして、LPKの完成と運用を提案した。

5月には、LPKを3µｓのパルス長で運転することに成功し、KrFレーザの最長パルスの記録を樹立したことを誇りに思う。LPKテストベッドを運用することで、ロングパルス電子ビーム励起KrFレーザのベンチマークと理解、モデリングを向上させるための貴重なデータをすでに提供している。

LPKを4か月で構築したという事実は、われわれが構築したチームのスキルと献身の証である。これは、歴史を変えるためにあらゆる背景や業界からDenverに来た人々である。

LPKは、当社のプロトタイプレーザーシステムであるPhoenixの最初の主要コンポーネントである。重要なデータを収集して、アーキテクチャを検証し、フルスケールのシステム設計を導く。Phoenixで現在建設中の次のレーザは、LPKの10倍以上のエネギーになる。

2026年までに、Phoenixは完成し、レーザアーキテクチャのすべてのコンポーネントの動作を証明する。2030年までに、世界で最もエネルギーの高いレーザ施設であり、核融合によるエンジニアリング損益分岐点を超える最初の施設であるVulcanを完成させ、実証する予定である。

慣性核融合:人類が必要とする最後のエネルギー源
エネルギーは、過去2世紀にわたり、人類の進歩の基本的な推進力となってきた。われわれXcimerが核融合に取り組んでいるのは、それが人類がエネルギー使用量を増やし、産業革命以来のように種として進歩し続けるための唯一の道だからである。

Xcimerでは、単に現在のエネルギー生成を核融合に置き換えることには興味がない。われわれは、人類が経済的、持続可能、安全に10倍のエネルギーを生産および消費できるようにするテクノロジーを構築する方法に焦点を当てている。レーザ核融合は、われわれがまだ思いつかない技術を解き放ち、人類が未来に向けて最も繁栄する道筋を描くのを助ける。

核融合は、2010年当時の商業宇宙産業と同様の立場にある。NASAのSpaceXや他の企業への支援は、民間投資を促進しながら、リスクを政府から民間企業にシフトした。だからこそ、今日、米国は、納税者の投資とリスクをほとんど伴わずに、強固で世界をリードする商業宇宙産業を持ち、米国の産業と国家安全保障に多大な利益をもたらしているのである。

宇宙探査と同様に、核融合は米国の国立研究所や政府の外に移動している。 われわれのLong Pulse Kinetics Platformは、政府の研究所を含むあらゆる場所で建設されたこの種のレーザとしては、20年以上ぶりのものである。

レースは始まっている
核融合は、何世紀にもわたって米国のエネルギーの自律性と安全保障を確保し、そうすることで、前例のない豊かな時代を可能にする。

しかし、レースに参加しているのはわれわれだけではない。2023年、中国政府の核融合支援は15億ドルで、 DOEの支出の2倍だった。また、中国の核融合企業への投資は、2021年のゼロから2024年には13億ドルに増加し、米国の核融合企業への投資に匹敵している。

米国は、核融合への支出、特に商業化への支出をはるかに下回っている。2020年から2023年にかけてエネルギー省が行った核融合エネルギー科学の支出のうち、核融合の商業化に費やされたのはわずか1.2%だった。

米国は核融合開発の発祥地であり、レーザ慣性核融合の発明者であり、科学的な損益分岐点を実証した唯一の国である。われわれは商業化に向けて急いでおり、リードを放棄するわけにはいかない。

今こそ、アメリカが核融合開発を加速させる時であり、その道筋は明確である: 21世紀の変わり目に民間の宇宙探査会社に提供したのと同程度の財政支援を、民間の核融合企業に提供する必要がある。