June, 25, 2025, New York--ロチェスター大学(University of rochester)とカリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara)の研究者は、1ペニー未満のレーザデバイスを設計し、自動運転車で使用されるLiDARシステムから重力波検出まで、宇宙を観察し理解するための現存する最も繊細な実験の1つである重力波検出まで、あらゆるものに電力を供給できると説明している。
光学計測として知られるレーザベースの測定技術は、物体や材料の物理的特性を研究するために使用できる。しかし、現在の光学計測では、繊細なレーザ波制御を実現するためには、かさばる高価な機器が必要であり、合理化された費用対効果の高いシステムの導入にボトルネックが生じている。
Light: Science & Applicationsに掲載された論文で説明されている新しいチップスケールレーザは、1秒間に約10兆回の超高速で、広範囲の光で色を非常に正確に変化させることにより、非常に高速で正確な測定を行うことができる。従来のシリコンフォトニクスとは異なり、レーザはニオブ酸リチウムと呼ばれる合成材料で作られ、電界が存在するときに材料の屈折率を変化させるポッケルス効果として知られる物理現象を活用している。
「目指しているアプリケーションの中には、すでにわれわれの設計から恩恵を受けることができるものがいくつかある。1つ目はLiDARで、これはすでに自動運転車に採用されているが、周波数変調連続波LiDARと呼ばれるより高度な形態では、レーザの周波数の広いチューニング範囲と高速チューニングが必要。それがわれわれのレーザでできることである」と、Ph.D学生、Shixin Xueは話している。同氏は、学部長の電気・コンピュータ工学および光学の教授Qiang Linから助言を得ている(両氏とも論文の著者の一人)。
研究チームは、レーザを使用して回転するディスク上のLiDARシステムを駆動し、LEGOブロックで作られたUとRの文字を識別する方法を実証した。チームは、ミニチュアのデモンストレーションをスケールアップして、高速道路の速度と距離で車両や障害物を検出できる、と述べている。
また、研究チームは、チップスケールレーザをPDH(Pound-Drever-Hall)レーザ周波数ロック(レーザのノイズを絞り込み、安定させ、低減するために使用される一般的な手法)にどのように使用できるかを実証した。
「これは非常に重要なプロセスであり、極めて正確に時間を測定できる光時計に使用できるが、そのためには多くの機器が必要になる」(Xue)。
同氏の指摘によると、一般的なセットアップでは、固有のレーザ、アイソレータ、音響光学変調器など、位相変調器、デスクトップコンピュータのサイズの機器が必要になる可能性がある。「われわれのレーザは、これらすべてを電気的に調整できる非常に小さなチップに統合できる。」