June, 2, 2025, 東京--東京科学大学(Science Tokyo)工学院 電気電子系の北川涼太博士(旧・東京工業大学、現(株)富士通)、波多野睦子教授、岩崎孝之教授、中川茂樹教授と、ハーバード大学 物理学科のアミール・ヤコビ―教授(Amir Yacoby、旧・東京工業大学 特任教授)らの研究チームは、ダイヤモンド量子センサを用いて磁性材料の交流磁気特性を高精度に可視化する技術を開発した。
この研究では、kHz帯からMHz帯に及ぶ広い周波数範囲で、磁場の振幅と位相を同時にイメージングする測定手法を確立した。これにより、パワーエレクトロニクス機器の高効率動作に向けた大きな課題である、軟磁性材料の高周波動作時のエネルギー損失を詳細に評価することが可能となった。特に、交流磁場のイメージング系を用いて、磁壁移動などの磁性体の外部磁界に対する応答を視覚的に捉えることは、インダクタコアなどに用いられる軟磁性材料のさらなる低損失化・高効率化を実現する上で重要なステップである。今回の研究成果は、パワーエレクトロニクスを中心に、スピントロニクス・磁気記録など幅広い分野への応用が期待される。
研究成果は、5月23日付(現地時間)の「Communications Materials」誌に掲載された。
(詳細は、https://www.isct.ac.jp)