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光をチップに集中する新しいメカニズム

May, 30, 2025, Amsterdam--波長自体のような小さな体積に光を集中させることは、多くのアプリケーションにとって非常に重要な課題である。AMOLF、TU Delft、米国のCornell Universityの研究者は、極小スケールで光を集束する新しい方法を実証した。その方法は、フォトニック結晶の特殊な特性を利用し、他の方法よりも広い波長スペクトルで機能する。研究者たちは、4月18日にScience Advancesに調査結果を発表した。

光の集束は、量子通信、光センサ、オンチップレーザなど、フォトニックチップ上の様々な技術応用にとって重要である。「これまで、光を集中させるための一般的な戦略は2つ分かっていた。光共振器を使用するか、ファネルのように光を圧縮する導波路を使用するかである」と、AMOLFのグループリーダー、Ewold Verhangenは説明している。最初の方法は共鳴を使用し、光の焦点または集中を特定の波長に制限する。2番目の方法は、従来のレンズと同様に機能するが、使用する光の波長よりもはるかに大きいデバイスでのみ機能する。」

光を遮断する
Gennady Shvetsが率いるコーネル大学の研究者による理論的なアイデアは、Ph.D候補者Daniel Muisと同氏の同僚が初めて実証した新しい方法につながった。この方法の重要な側面は、物理システムのいわゆるトポロジーである。「われわれはフォトニック結晶を使用している。これは、非常に小さな穴が規則的に並んだシリコンスラブであり、原則的にシリコンスラブ内での光の伝播を阻止する。しかし、鏡面反射パターンを持つこの結晶を2つ並べると、その境界に導波路が作成され、光は境界に沿ってのみ移動できるようになる。この設計の特別な点は、光の伝導が『位相的に保護されている』こと、つまり結晶の欠陥による光の散乱や反射が抑制されていることである」 (Daniel)。

研究者たちは、光が通過できない物質の「壁」でそのような導波路を突然終わらせたらどうなるかと考えた。「光は行き場がなく、反射が抑制されているため、その壁の前に光が蓄積するはずだ。最終的に光は導波路を通って跳ね返るが、遅れて戻ってくる。これにより、光場が局所的に増幅される」(Daniel)。

光の集中
AMOLFのEwold VerhagenとTU DelftのKobus Kuipersのグループは、コーネル大学の研究者と共同で実験を行い、予測を検証することにした。トポロジカル導波路は、AMOLFのシリコンチップ上に作成された。フォトニック結晶内の光の予測蓄積を視覚化するために、DanielはTU Delft独自の顕微鏡を使用し、結晶の表面上にある極細の針を介して光場をスキャンした。この顕微鏡は、人間の髪の毛の太さの約1000分の1のスケールで光強度を局在化できる。「われわれは、トポロジカル導波路の末端で光場がはっきりと増幅されるのを確認した。興味深いことに、これは導波路を終端する「壁」が特定の角度で配置された場合にのみ発生した。まさにコーネル大学のパートナーが予測していたことだった。これは、光の増幅が後方反射の位相的抑制に関連していることを証明している。光の増幅は、光自体の波長と同じくらい非常に小さな体積に集中している。この方法の主な利点は、本質的に広帯域であり、つまり複数の異なる波長で機能することだ」とDanielはコメントしている。

Danielと同氏のコーネル大の同僚であるYandong Liが共同執筆したScience Advances誌の論文は、チップ上でのこの種の光増幅のさらなる研究や応用に向けた指針となる。実証されたメカニズムは、音波や特定の結晶中の電子など、構造化された媒体内の他の種類の波にも適用できるはずである。「次のステップとして、パルスレーザを使用して、光が蓄積し続ける時間間隔を調べ、電界増幅をどれだけ最大化できるかを確認し、光チップ上の光操作のアプリケーションに使用するのは興味深い」(Daniel)。