May, 26, 2025, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社NTTアグリテクノロジー(NTTアグリテクノロジー)は、圃場にある収穫ロボットをネットワーク越しに遠隔操作し(秋田-東京間直線距離約400km)、イチゴを収穫する実証実験を行った。
実証実験では、ネットワークの品質状況に応じたリアルタイムな動作制御により、高い操作性を維持した遠隔収穫作業が可能であることを確認した。これにより、農業業界のみならず、様々なシーンで遠隔操作が可能となり、人手不足解消につながる。
3. 技術のポイント
ネットワークコンピュート高速クローズドループ制御技術は、エッジサーバでの処理時間とネットワークの遅延時間をリアルタイムに状態把握し、エンドツーエンドでの遅延時間が性能要件を満たさなくなる場合には別の経路および別のサーバ処理に即座に切り替えることで安定した低遅延サービスを提供する技術。今回、この技術の高度化を図り、スマート農業に適用可能な機能を付加した。
(1)アプリ外からの処理時間計測
従来は、画像処理アプリに独自機能を追加し、その機能を用いてアプリと連携することで、画像処理時間を計測していた。機能の高度化により、アプリ外から入出力データを汎用画像フレームのヘッダ特性を用いて解析し、データの通過時間から処理時間を計算できるようになった。これにより、画像処理アプリに手を加えなくても、アプリ外のサーバのみで処理時間計測を行えるようになる。
(2)品質通知によるシステム連携
従来は、通信品質が性能要件を満たさない場合、別の経路やサーバ処理に切り替える制御を行っていた。より汎用的な使い方として、通信品質の状態をリアルタイムに遠隔収穫システムに通知し、システム側で制御を行うようにした。この機能では、通信品質を分析し、それを3段階に分類し、遠隔収穫システムへの通知を行う。遠隔収穫システムは、ロボットから操作端末に流れる映像に通信品質を表示し、操作者にタイムリーに通知する。また、ロボットアームを制御する情報に対して通信品質に応じた速度制御を行い、アームを減速または停止させる。これにより、エンドツーエンドでの遅延時間が長くなった場合でも、操作者はその状況を把握し、操作上のストレスを軽減することが可能になる。さらに、遅延時間が長くなると操作精度が低下するが、アームの速度を調整することで、その誤差を軽減することができる。
(詳細は、https://group.ntt/jp)