包装廃棄物からのプラスチックのリサイクルの改善

April, 7, 2025, Bremen--毎年、ドイツでは約560万トンのプラスチック包装が、一度使用しただけで家庭ごみに捨てられている。これまでのところ、リサイクルできるのはその3分の1未満。FraunhoferIFAMは、ブレーメン市立応用科学大学と提携し、この廃棄物を高品質の3Dプリント製品に変換することを目指している。

プラスチック廃棄物の量は増加しており、過去30年間でドイツ全土で約3倍に増加している。特に包装廃棄物は、これに大きく貢献している。1994年にドイツの家庭で210万トンのプラスチック廃棄物が発生していたのに対し、2023年には560万トンに増加した。そのため、これらの使い捨て製品をリサイクルする方法を見つけることがさらに重要になる。そのほとんどは原油に基づいている。

「しかし、工業生産から残ったプラスチック残渣よりも、使用済み廃棄物をリサイクルすることははるかに困難である」と、ブレーメン市立応用科学大学(HSB)で持続可能なエネルギーシステムと資源効率を専門とする教授Dr. Silke Eckardtは説明している。
結局のところ、これらの材料は非常に不均一であるだけでなく、一般的に汚れている。それでも、生産サイクルを終わらせるために、HSBはFraunhoferIFAMの研究者と協力して、これらの取り扱いが困難なプラスチックでさえ一般家庭からリサイクルし、積層造形(AM)に使用している。

3Dプリント用フィラメントに使用されている再生プラスチック
「廃棄物は3Dプリンティングで使用するためにリサイクルされることになっているため、純度、形状、サイズなどの側面で非常に厳しい要件を満たす必要がある」と、FraunhoferIFAMの複合技術ワーキンググループのプロジェクトマネージャDr.Dirk Godlinskiは説明している。

この目的のために、包装廃棄物の選別工場から排出されるポリプロピレンは、HSBとFraunhoferIFAMが実施した実現可能性調査で使用された。

十分な純度を確保するために、Eckardtと同氏のチームは選別工場の生産量をさらに処理した:大学のサーキュラーエコノミー研究所では、プラスチックを粉砕して洗浄し、浮沈分離(float-sink-separation)を使用して不要な材料をメインストリームから分離した。チームは近赤外線(NIR)技術を使用して、残留異物プラスチックを特定し、それらを取り除いた。その後、研究チームは、材料が配合に必要な粒度に達するまで再び粉砕し、乾燥させた。この分析法により、99.8%以上の純度を達成した。

その後、FraunhoferIFAMが引き継いだ:「このプロジェクトでは、準備された廃棄物から均質なポリプロピレンを製造した。これは、耐久性があり、壊れにくく、比較的柔軟性のある、用途の広いプラスチックである」(Godlinski)。

研究科学者とチームは、固体のプラスチックストランドを作成した。まず、リサイクルポリプロピレンのフレークをFraunhoferIFAMの工業用押出機で処理した。そこで材料を混合し、異なる押出機のスクリュー形状を使用して混合し、200℃を超える温度で溶融して押し出した。

「専門知識は、生産プロセスに沿って様々な機械式ネジ、温度、圧力、速度を正確に調整し、最終製品が均質なポリプロピレンになるようにすることにある」とGodlinskiは説明している。たとえば、3Dプリンティングでさらに加工を行うには、ストランドは丸く、全長にわたって直径が一定で、表面が滑らかである必要がある。

研究チームはこれに成功し、厚さ約2㎜の灰色のプラスチックストランドを、商用3Dプリンタのフィラメントとして直接使用することができた。これまでに、Godlinskiとチームは、キャップを含む最初のコンポーネントのプリントに成功した。

これは、HSBとFraunhoferIFAMによるフィージビリティスタディの結論を示している。研究チームは現在、生産プロセスを最適化している。すでに後に続くアイデアが浮かんでいる。Godlinskiによると、例えば、コンパウンド中にガラス繊維などの添加剤を導入することで、プラスチックをさらに精製できる。これにより、航空業界や自動車産業などの分野で使用するための非常に高品質な部品も製造することが可能になる。

EUの包装・包装廃棄物規制(PPWR)では、プラスチックの種類や製品(医療機器や医薬品を除く)に応じて、2030年までに包装を10〜35%のリサイクル材料で構成しなければならないとされている。2035年の要件は、25〜65%がリサイクル材料であること。