February, 20, 2015, Madison--ウイスコンシン・メディソン大学(University of Wisconsin-Madison)の地球科学者とエンジニアは、業界パートナーおよび米国エネルギー省(DOE)と共同で地熱井の詳細モニタリングシステムを開発している。
人工地熱系は、自然の系を真似たものであるが、控えめな見積によると、今後50年で100GWの電力を生産することができる。それを達成するには、エネルギー供給者は、作動する岩石メカニズムや水文学についてのデータを収集し分析するための高度なシステムを必要としている。
研究チームは、ネバダのBrady Hot Springsに集まり、比較的小規模の地熱地帯を実験場にし、より広く深い地帯に拡大できるシステムを目指している。
プロジェクトは、地熱地帯の岩石物性を計測するために北米で初めて光ファイバケーブルを使う。ただ、この技術の利用はエネルギー会社では石油探査で普通に使用されている。地球科学教授、Kurt Feigl氏は、「地下の石油発見は骨が折れるが、地熱井では温水を見つけることが課題になる」と話している。
過去5年、光ファイバ技術が進歩したことで、光ケーブルを利用して詳細な地震データ、温度データを1日にテラバイト程度収集できるようになった。「われわれは1mおきに1chを設置しているが、通常の地震調査では30m、40mおきに1chあればよい」と業界パートナーの1社、Silixa事業開発マネージャー、Joe Greer氏は説明している。
プロジェクトの範囲は、基礎的な地球科学から、地熱井からの電力生産を最大化するところまで広がる。Feigl氏によると、岩石の割れ目や変形について知るべきことは、まだたくさんある。その情報は、DOE、Silixa、Ormat Technologiesが複雑な地下の地勢を通して温水を見つけ出すのに役立つ。また、強化された地熱システム(EGS)の商用化という長期目標追求にも役立つ。
自然に過熱された岩石領域はまだ流体が飽和状態にないので、そこに流体を追加注入することで人工的に造られる地熱井がEGSである。このプロセスが岩石の既存の割れ目を開き、その領域を水が巡回して地熱を運び、それが電気に変換される。
「熱の貯留層を造る前に、岩の割れ目のネットワークがどうなっているかを理解する必要がある」とDOEのEGSプログラムマネージャー、Lauren Boyd氏はコメントしている。